6 自由記述
賃金
雇い止めと雇用不安
専任との比較
非常勤の取り扱い
出産,産休,育休
交通費
社会保険,労災
健康診断
奨学金
任期制
採用方法
授業評価
大人数
カリキュラム・補講
研究
科研費
若手非常勤
ワークシェアリング
地方大学・国立大学
紀要
大学経営・運営,文科省
このアンケートについて
組合について
特に不満なし
その他

自由記述
自由記述は,本人が掲載不可としたものを除いて,原則無編集で掲載しました.ただし,大学名などは伏せ字とし,分類は内容に応じて行いました (内容が多岐にわたる場合は主たる要求を中心に分類し、それも困難な場合はその他に分類しました).


賃金

◆○○大学は他大学より3割ほど賃金が安い.なんとかならないものか.

◆大学 (とくに私立) の経営は,非常勤講師で成り立っていると思います.言葉を換えると,専任教員の生活を非常勤講師が支えていると言ってよいでしょう.私立大学が「トラスト」をつくって,「極めて安い賃金」で非常勤を押え込んでいる現状を打破する必要があります.
>  「同一コマ数」であれば「せめて常勤の半分」の水準に報酬を引き上げるべきでしょう.常勤の場合「6〜8コマで1000万円超」の年収があるのが普通ですが (もちろん年齢もある) 非常勤と比較した場合,あまりの格差に呆然とするのみですね.

◆本務校がないと学位はあるのに大学院生のバイト料より安い大学がある.

◆専任教員との労働条件において格差が大きすぎる.とくに賃金については,少なくとも現在の2倍の賃金が保障されるべきである.

◆給与が安すぎる.

◆教職についているものは賃金に応じて仕事のレベルを落とすことがあってはならないし,きわめて誠実な行動が要求されます.現状では労働量の半分の賃金しか支給されておりません.良心的な判断を希望します.

◆賃金の低さは驚くべきものだと思う.A. Smithが言ったように生徒が直接,教員に支払う (あるいは,そのような換算が可能なチケットのようなものを導入する) ようにして賃金は実力制にしてほしい.教える行為に常勤との「実力差」があるというならそれが明確に示される制度にすべきだと思う.私はたいして実力差はないと思っている.

◆知的労働に対する対価の相対的絶対的安さに全く呆れ果てている.1コマ約3万円ということは,学生のアルバイト代と殆ど変らないことであり,企業勤務定年退職後の仕事としては,まさに「社会貢献」事業の一環という感じです.  学生の熱心な受講態度があるため,熱意をもって担当しています.人の善意を無にしていると思う.妥当な金額は,月額1コマ約5万円から6万円というところではないでしょうか?恥かしくて学生に話せませんし,世間の人々は,こんな安い「給与」とは信じてくれないでしょう.

◆とにかく給与が安い,コンビニのパートタイマーなみだ.せめて本代,研究費として「賞与」支給は必要.

◆授業の内容 (語学,専門科目) を問わず,一律給与はおかしい.何のために過去の業績を提出させるのか.

◆単に学長経験者だけ特別高い給与もおかしい.

◆コマ数は専任教員とほとんど変わらないのにボーナスをぜんぜんもらえないのがおかしいと思っています.

◆採点,問題作成時間,追試の手数料も非常勤にはないです.オフィスアワーのお金も無給です.

◆10年の間に一度も昇給がありません.学生数の減少にともなってコマ数も減らされています.調整弁としての非常勤のあり方を大学側が考えなおす必要があります.

◆定期試験の作成・採点には時間がかかるので,それに対する手当てを検討してほしい.

◆賃金は現行の二倍ぐらい (週一コマで月に五万円程度) が適当だと思う.専任教員との待遇格差が不当に大きすぎる.

◆非常勤講師には社会保障等が一切無い.収入面に限っても,大学非常勤講師は塾,予備校の非常勤講師に大きく水をあけられている.講師給くらいは一コマ3万5千円から4万円くらいが当たり前になっても良いのではないか.大学非常勤講師は少なくとも,それくらいには働いていると,私は思っている.

◆同じ内容の仕事をしているのに,専任教員との待遇の差が大きすぎる.

◆一生懸命に頑張っていても,待遇を改善してもらえない.

◆専任と同じ授業を担当しているのに,給料は少なすぎます.

◆賃金面については,とりわけ国公立大学において,実際の授業回数に応じた支払いという形態が改められるべきと考えます.学校の行事等による休講の場合も,その分の賃金の支払いは行われておりません.また,試験問題の作成や採点に要する労働時間に対する報酬が支払われないことも大きな問題であると思います.大学における常勤教員と非常勤教員との待遇のギャップは,まさに現代の格差社会にもつながるものであり,今後の大学教育の質を考えていくうえでも,是正されるべき喫緊の課題であると考えています.

◆今,教育で非常勤が担っている役割がとても大きいのに,賃金が本当に安いと思う.

◆賃金の安さは,想像を絶する.恥ずかしくて他人にはいえない.過去においては,月に何度か講演を頼まれたりしていたが,一回少なくとも3万円はもらっていたが,今は,月に4回講義して,3万円強である.最近は,臨時・パートについても,同一労働同一賃金になりつつあるのに,大学側の認識の遅れは甚だしい.しかも,各大学とも同水準とのことで,一種のカルテル行為が行われているに等しい.少なくとも2〜3箇所で講師を務めれば,常勤教官と同レベルの収入が得られるようにすべきだと思う.そのためには,一コマ年間100万円以上であってもらいたい.  図書・雑誌の購入や研究会出席,諸々の交通費などを含めると,事前準備のコストは現金支出だけで (そのための時間への報酬も,労働の対価としてあるべきだが),収入を上回っていると思う.これでは,労働ではなくボランティア活動である.私は年金生活者 (これからは増えると思う) だが,大学から正当な報酬を得られれば,それに見合う年金の辞退をすることになろう.言い換えれば,現状は,年金財政から大学へ補助金が出ているようなもので,全く社会正義に反すると思う.

◆やはり賃金の低いのが一番不満です.交通費が学期の一番最後に一括して支払われたり,最初の月の給料が翌月まとめて支払われる大学もあり,大学側の都合によってこのようになるのは理不尽に思います.

◆1コマ月額最低3万円あればと思います.あるいは,給与額が低く抑えられるのであれば,せめて勤務先で社会保険と厚生年金に加入できるようにしてほしいと思います.

◆1年に1回でもいいから賞与を出すようにして欲しい.

◆非常勤講師給に対する私学補助金が 1.5 倍に増額されたが,実際にわれわれの給与にはほとんど反映されていないのが実情だ.現在勤務する2つの私立大学で,給与の増額があったのは1校,しかも1コマ月額 200 円.その大学はもともと給与が安く,200 円の増額でようやく「他大学並み」になったに過ぎない (国立大学の給与アップはもちろんない).われわれの給与が上がらないということは,「非常勤講師に対する補助」が結局は専任教員の厚遇維持のために使われているという見方もできるだろう.
 今回の補助金増額は結局われわれには何の実効性もないものであったと思う.文部科学省は,私学に対する監督指導をもっと厳正に行なうか,それができないなら,大学ではなく,教員個人をサポートする新たな制度を導入すべきだ.

◆今までは専任の特任教授であって4月から非常勤講師になった.これは特任の任期が65〜70才であるため.また,好んで非常勤になったわけではない.はじめて非常勤になって扱いの悪さ,賃金の安さにびっくりしている.65才までは正規の教授であり,管理職も多くこなしてきたが非常勤の手当ての計算を月単位,週単位を見誤っていたようである.私の場合,専門的には国際的に知れ渡っており,それを示すDistinguished Award・・・・もいただいている.私が大学以外で講義する場合,大学でいう1コマの単価は非常勤となっていただいている賃金の少なくとも10倍以上である.非常勤のクラス別があることは知っているがあってないようなものである.国際的に知られている私をこの賃金で講義さすことは失礼としか言いようがない.来年は担当をお断りしようと思っている.

◆身分保障がないこと.講師料の賃金単価が低いため,生活に余裕がもてない.常勤教員のような研究費がないと学会への参加が難しくなる.学会の交通費や会費,参加費を負担してほしい.

◆○○大学○○学部の英語教育は2コマ担当して,年平均120時間ちかくの勤務が課せられるが,これについては全く給与は払われない.規定による28000/コマ当りの単価は,実質1万2000円ほど,つまり時給なら2000円ほどにすぎない.しかも雇い止め有り.

◆レポート採点など負担が大きいが,正当に評価されていないと感じます.

◆大学にもよりますが,当然のように1日に1コマで非常勤講師を呼ぶところがあります.そういうときでも立場が弱い講師はNOがいえません.その挙句,大学の都合で解雇されたり,我慢していて報われるわけでもありません.非常勤なら1コマでもありがたくいただかなくてはならないのでしょうか.何か労働条件を向上する方法はないものでしょうか.

◆ある学校で給与明細がもらえません.この学校は担当コマ数が週ごとに違っており,当日に何コマ入っていくら源泉徴収されているのか,銀行口座から計算しなければなりません.明朗会計ではないなあと感じます.

◆専任より非常勤のほうがセクハラをしているような教員が辞めさせられないのも問題である.良心的に誠意を持って授業をしている場合があるのにその辺の評価は表には出てこず,一律に低い賃金で働かされている.だからといって手を抜こうとは思わないが.

◆非常勤講師給に対する私学補助金が1.5倍化され,またそのような記事を新聞で読んだ覚えもありますが,私が非常勤として勤務している5校のうち,講師給が上がったところは一校もありません.補助金の増額分はいったいどこにいってしまったのでしょうか.一度首都圏,関西圏の主だった私学の増額分についての使途を調査し,結果を公表してみてはいかがでしょうか.結果次第では文科省を動かして各大学に適正な使用を指導させることができるかもしれません.あるいは会計検査院を動かせるかも.まあ,「文科省・・・・」以下はこちらの妄想かも知れませんが.調査結果について,調査した大学からコメントを得られたらとも思います.

◆この10年一度も賃上げがなかったし,給与体系を知らせてくれない職場もあった.学内の諸活動・非常勤講師組合の存在等が知らされてこなかった.

◆私の場合,本業 (大学教員以外) をメインとし,専門分野の非常勤講師をいわばボランティア気分で受けている.しかし,講義の準備に要する時間を考えると現在ではまれな「低賃金構造」と思う.家内からも非常勤講師の低賃金を知っているため「いいかげんにしたら」と言われている.

◆保険,年金なく休暇や補償なし,しかも給料が年間75万円以下の支払いは「月給」としてでなく,「報酬」として税務署にだしてほしい.その二重制度支払いで経済的にも精神的にも非常にソンをしています.

◆とにかく賃金が安いのでもらえる分だけしか働きたくないような気分になる.その分,教育の質が落ちるので,結局は学生も不利益を被っていると思う.
 短大と4大の両方で働いたが,短大は学生の質が悪い上に賃金も安く,教務課からの注文も多く (休講は禁止,授業のチェックのためのレポート提出など) やりがいもなく散々だった.短大で働くくらいなら,教育・研究職でない職でも賃金が高いところで働きたい.

◆私は非常勤講師として扶養者をかかえているわけでないので持ち時間コマ数が9コマであっても生活できるが,主たる生活維持者であったら9コマでは家計がなりたたない.

◆非常勤講師として教え始めて1年目ですが,雇用賃金が低く,とても生活が成り立ちません.学会,研究費申請等でも常勤研究者との格差があり,様々な点で不安が増す一方です.
 また,大学側から理事会からの提案で賃金引下げの要求も検討されているとの連絡を頂いた大学もございます.授業準備などに直接要する時間,労働,また非常勤講師となるまでに積んできた様々な学術研究・経歴などに対して,もう少し,普通に賃金に反映して頂きたいと思っています.  特に準備やテスト採点など,授業に要する時間に対する賃金が支払われないのは,非常に不満です.

◆搾取されているという感じがする.

◆賃金が安い (低い) のと雇用不安定ということにつきる.一コマの授業とはいえ,授業準備にかかる時間は相当だし,又,かけもちの通学の結果,移動にかかる時間も相当の負担であり,結局,自分の研究に使える時間を失う結果となってしまう.

◆私は自分でベンチャーの研究所を経営しており,顧客に依頼されて出張する場合は,往復の途上も含めて時間給5000円をもらっていますが,往復2時間かけて1コマの講義のために非常勤講師の手当ては1コマ90分約7000円しかもらっていない.本来なら,20000円もらうべきところです.この講義のために会社の業務が中断されるので会社は損害を受けています.自分で言うのもおこがましいですが,当該の大学に私の代わりに講義できる人はいないし,他大学・研究機関や民間などにも代われる人はいません.学生にとって大きく役立つものである自信があります.

◆日本の労働者全てに言えることだと思いますが,国がILOの条約全てを結び諸外国並みの労働条件の確立がぜひとも必要だと思います.非常勤,パート,アルバイトは安くてあたりまえ,条件が悪くてあたりまえという日本的常識 (世界の非常識) を労働運動で改めていく必要があると思います.

◆カナダの友人に,カナダでの非常勤講師の賃金について聞いたところ,時間当たりの時給にすると,同じようなものであることがわかりましたが,決定的に違うところは,準備のために授業時間の3倍の時間を割く,との前提で準備に対しても同じ時給が支払われ,一コマあたり日本の4倍の賃金がもらえる,ということでした.一コマにつき10万円もらえるわけです.それは大変合理的であると思いました.私の非常勤講師先の1校では,契約書をかわさせられますが,わたしはいつも,「この賃金には授業準備のための賃金が含まれていないので,授業準備をしなくてもよい」と書き足してからサインしてやろうか.と思います.

◆普通のアルバイトでさえ,労働条件を提示され納得してから契約するのに,私が勤務したことのある私立大学のほとんどは,実際に働きはじめて給料日がこないと賃金をいくらもらえるのか分からないというのが実情である.こんな異常な職場が他にあるだろうか.

◆非常勤のコマ数を実績において反映するという.しかし,非常勤講師の待遇でどうやって一定水準の研究をしろというのか?明日の生活もどうするか不安しかないのに.留学なんて夢のまた夢,そんなことしたらますます借金が増えて,本当に身の破滅だ.それでも自分の講義を少なくともまじめに聞いてくれる学生に対して,きちんとした授業を心がけたい.最低限そのためのケアは必要だと思うし,それが無ければ,大学という名が泣くというものだろう.

◆授業の依頼をされるときに雇用条件を明示せず,授業が始まって初めて給料が分かる.大概,条件の悪いところほど,専任教員との人間関係で,ごまかされてしまう.

◆大学によっては長期休暇の3か月分の給与を支払わず,9ヶ月分の給与しか支払わない場合もあるとのこと (知人の実体験より).まず,非常勤が研究者としてではなく単なる時間労働者のように扱われているところに不満を感じる.非常勤ではあっても,その大学に9ヶ月間勤めているために他の仕事ができないのであるから,また,それ以上に非常勤講師を研究者として扱っていれば長期休暇の時期が研究のために使われるということは理解できることであり,実質授業のない月が含まれるにしても,その分の給与は支払われるべきである.

◆以前,専任教員であったとき非常勤講師をしているときには実感がなかったが,専任がなくなり,非常勤だけでやっていると,本当に不当に賃金が低い (単価が低い) ことを実感する.差別的低賃金だと思う.補償金・退職金から生活費の不足分を補っているが,いつまで続くかと不安である.時間的ゆとりは4校,非常勤講師をかけ持っていると,交通時間に取られて,思っていたほどはない.今はインターネットがあるため,非常に安価な価格で情報が入手できる.それで何とか研究を継続できているというのが実情である.社会の無関心のなかに置かれているのか.特に,大学の専任教員の組合の無関心には目を覆いたくなる.

◆私の場合,通年6授業・7限演習,学生は夏季に2週間の実習 (講師はその指導),冬期に冊子にする論文の指導という一連がセットになったプログラムで,7限を担当しています.ですが実際には,プログラムの性質上仕方ない部分もありますが,6限目から拘束されることも多く,本来時間外である夏季・冬季の指導部分には手当ては何もありません.賃金を総必要時間で割ったら,時給数百円の世界ではないか? と,考えることもあります.学生は熱意があり,応えていきたい気持ちは他の先生方にしても皆ありますが,それにしても,この待遇の悪さからすれば,非常勤の継続性は悪いのではないかと思われます.

◆先日ある第3セクターのバス運転手の年収が300万程度で,そのことを娘に恥ずかしくて言えない,という談話が新聞に載っていたが,この程度の収入は非常勤講師では全く普通のこと.このことが社会にはっきりと知られていないのではないのでしょうか.大学院時代の勉学と無収入状況などを考え合わせると,一般の社会人と比べてあまりにも理不尽な待遇に甘んじなければならないのが,大学非常勤講師という立場です.

◆非常勤講師は,大学側から (慣例・規則のため) 事前に給与が知らされない場合が時々ありますが,場合によっては,その悪用で,本来の非常勤講師給からピンハネされている可能性があります.特に,専任教員と連名で授業・講義を担当する場合,非常勤講師が最初から学期末試験まで全て出講・担当しても,連名の専任教員に何回分か渡る (非常勤講師はその分ピンハネされる) ように給与係に指示が出ていたりします.そのような悪用をするのは学科のボス教授だったりしますから救いがありません.内部事情に通じていない非常勤講師は,まさか,そのような形で少ない給与を専任教員がピンハネしているとは思いませんから,ご注意下さい.

◆私はまだ非常勤歴2年なので,賃金・待遇の悪さは仕方がないかとも思えます.しかし,この状態が耐えられるのも,いずれ専任教員になれるという希望があってこそです.1コマ1万円のままなら年金や保険の保証を付けていただくか,無いならせめて1コマの賃金を1.5倍に上げて欲しいです.


雇い止めと雇用不安

◆近年少子化で大きな改組をする大学が多いのですが,そうした改組の予定,進行過程など,雇い止めに直結するような情報が時期的にも内容的にも迅速かつ適切,詳細に非常勤に伝えられることが乏しい.突然,改組と雇い止めを言い渡されることが多い.

◆やむを得ず大学側で雇い止めをする際には,ほかに専任職があるものではなく,若い者や非常勤のみで生活している教員を考慮して,雇い止めをしないようにしてもらいたい.

◆とにかく雇用を安定して,保険等にも入れるようにしてほしいです.

◆雇い止めについて,せめて連絡をしてほしい.また理由も知りたい.

◆○○大で,男性のみを全員雇い止めにする.ネイティブ専任教員のインタビューを通して,雇い止め順位を定め,男性全員と女性で意にそわなかった人を雇い止めにした.

◆ある企画を上部許可が必要と思い尋ねたところ,問題なしと答えられ,上司に話しに行くことを止められた.しかし,問題になった時,その事は隠され,私の契約が終了となった.不愉快である.

◆ある大学で急に5年という期限が決り有無をいわさずやめさせられます.

◆一応,辞令では任期一年となっているが,だいたい秋頃,継続に関する通知があるのが通例.しかし,そのうちの1校 (有名私大) は,その年度の授業が終わった時点 (2月) で来年度は常勤採用の人に代替する旨,TELで通知があった.失礼な話であるが,先方の言うには,任期は1年となっているとの事であった.

◆非常勤講師の不安は,何といっても不安定な雇用契約である.1年あるいは半年の今の契約期間をせめて3年でも保障してもらえば,いくぶんかは気が楽になるだろうと思う.
非常勤講師の雇用状況はあまりにも不安定である.一つの減ゴマが年間何十万という収入の減少につながり,普通レベルの生活さえ維持していけなくなることは,まったく無視されている.次年度から出講日の時間と曜日が一方的に指定され,それで出講できない場合は相談の余地もなく解雇ということで,長年非常勤として貢献してきた職場を辞めさせられた知人がいる.

◆雇用が不安定というのが非常勤の一番の欠点である.これを解決しなければ,非常勤の将来はありません.

◆来年度から任期制 (非常勤は5年が上限) が採用されるという噂をある非常勤先で耳にしました.まだ50才にもならないうちに職を失うことになるのはとても不安です.働いた分だけちゃんと保護されるシステムを切に願っています.

◆やはり,来年も継続して雇用されるのかどうか不安である.もちろん常勤職で採用されるに越したことは無いのですが.仕方ない部分もありますが,常勤職を得るまで最低限生活・研究できる環境を保ち続けられるのか不安にはなります.

◆今年,ある短大が閉鎖されることになり,半コマなくなった.今年,ある短大で雇い止めを言い渡されたが,ろくな学校ではないのであきらめた.残りは通年2コマだけになった.

◆大学でこういう時代が来るとは思わなかった.毎年,来年度はどうなるかと考えるのが辛くなってきた.

◆勤務校の1つでは,新カリキュラムが完成年度を迎えるためにコマ数を削られ,来年度からはたった1コマになってしまった.生活が成り立たなくなるこちらの身も考えてもらいたい.

◆学生の質の変化 (劣化?) に伴い,教養科目・語学が必修から完全選択に移行する日が近づいています.そうなると専任でも不要な人材も出てくるでしょうが,非常勤はもっともっと「いつ雇い止め・減コマになるか」と…日々不安です.

◆労働条件では,コマ数が不安定ということです.学生数の減少が生じると,採算が取れないとかで専任のコマ数を増やし,非常勤のコマ数を減らそうとしてきます.「雇用の責任」というものもあると思うのですが,あきらめムードが漂い追及しにくい雰囲気があります.同じ職場で働く者たちの連帯が必要だと思います.非常勤の組合があるということを日常的に宣伝していくのも必要だと思います.

◆学内情勢や学生の指向による,科目やコマ数の減少は,非常勤講師にとっては死活問題だが,学校によっては,専任教員がこの点に関してあまりにも無関心である.

◆一昨年,○○大で,これまで20年近く担当していた講義 (半期分) が,何の説明もなく他の講師に回されていました.知り合いの教授を通じて,その理由を聞こうとしました.その先生は迅速に組合と連絡を取り,担当教官に連絡してくれたようです.その後,たまたま研究会の席上で,担当教官と会った折り「電話で連絡したのですが,つかまらなくて…」と,説明にもならない説明をしていました.「解りました」と言って了解いたしましたが,屈辱を感じました.当の担当教官にとっては,非常勤講師の置かれている状況や,条件などについてはどうでもいいことのように思えました.こうした説明もない雇い止めを体験してみると,専門研究が近いこともあり,なおかつ年長であること,研究会などで日常的に接する機会が多いことなどあって,その説明を求めるくらいがせいぜいです.本来ならばもっと非常勤講師としての正当な要求をすべきなのかもしれませんが.

◆こんなに不合理な現実でも,今の担当コマ数がそのまま確保できないのが一番心配していることです.

◆第二外国語を担当しているが,全般的に英語以外の外国語のコマ数,特に非常勤講師の担当しているコマを減らす動きがあるようで,戦々恐々としている.

◆来年度はなんとか現在のコマ数を維持できましたが,少なくとも2つの勤務校で,今年度から2,3年のうちに相当数の非常勤講師削減の話を聞いているので,将来が非常に不安な状態です.

◆某大学にて,はじめて雇い止めを経験いたしました.これは,私に問題があるというわけではなく,学部改編による学部の消滅と,予算の関係ということが理由です.昨年度は,予算の関係ということで,90分×2回分の給与と交通費1回分が支給されませんでした.本年度は,講義がはじまってから,90分×6回分の給与が予算の関係上出せないと言われました.そこで,大学側から出された提案は,6回分は講義をしないということでした (3クラスを受け持ち,各クラス2回ずつカット).私は,(1) 予算が無いことは承知していたことと,(2) 非常勤がお世話になっている教授からの紹介ということ,そして,(3) 大学側からの非公式な話で,もしかすると,単位を落とした学生のために,もう1年延長があるかもしれない,という話もあり,了承しました.しかし,講義終了後,行ったはずのコマ数分 (カットされた6回分は除く) の給与が出ていないことが発覚しました.事務に問い合わせると,「表記されている回数分しか支給されない」と言われました.事前に知らされていたら,まだ感じ方は違ったかもしれません.なお,来年度の延長という話も無くなりました.やはり,非常勤は「使い捨て」という不安定な立場でしかないということを,改めて実感いたしました.

◆職として非常勤というのが非常に不安定です.常に雇ってもらっている大学の関係者に気を遣わないといけない.ご機嫌をとらないといけない.

◆雇用が不安定なことが一番の悩みです.私はドイツ語を担当していますが,クラスの履修者が少ない場合,次年度にコマ数削減または雇い止めがあるのではないかと,憂鬱になります.以前よりも専門科目や教職科目が増え,大学によってはさらに本来高校で学ぶべき数学・化学・生物・物理の補修授業などもあるため,大学生が第二外国語を履修する時間がなくなってきたことも痛手です.

◆非常勤講師を務めて幾年か経ちましたが,不条理なことの多い職場だなと思います.  専任の都合で簡単に馘首されることが何度かあり,またその説明も不明瞭なものが多かったです.具体的にはコマ数が減ったという理由だったりするのですが,調べてみると数ある非常勤講師の中で自分だけがターゲットになっていたことが分かったこともありました.わたしを馘首する際に,「君だけが非常勤の中でコマ数が多いんだよ」と専任に言われたので,これもまた調べてみると,他の人もわたしと同じくらいのコマ数で,わたしだけがとりわけ多いということではありませんでした.  割と根拠の無い理由で専任の人たちは非常勤の首を切ります.それも,大学の経営が逼迫しているという理由でしたら,まだ納得できますが,専任のお気に入りの人間を取り立てるために,他の非常勤の首を切るというようなことが普通に横行しているのがこの職場です.また,馘首する際に十分な説明が行われたこともなく,大抵電話一本で簡単に首を切ろうとします.人の収入を減らすという出来事と向き合う勇気も無いのだなと思わされます.

◆毎年,年の後半になると,「来年も同じ条件で雇用されるだろうか?」という不安で満たされます.年末に「来年度の委嘱願い」の通知を受け取り,同じ条件であることを確認すると,「これでまた1年は首がつながったな」と安堵するような状態です.中年になり住宅ローンなどを抱えている身には何よりも「雇用の安定」が第一の問題です.

◆ある勤務先で,「カリキュラムが変更になり,先生 (私のこと) が担当されている授業は常勤を雇用することになった.」と言われ,首になりました.ひどいと思います.

◆某大学での出来事.前年度あったのと同じ科目の今年度後期の担当が,結局なくなったのだが,9月半ばを過ぎても何の連絡も無く,こちらから問い合わせてやっと「あなたの担当はありません」と知らされた.また,担当がなくなったことの理由説明は一切なかった.
 以前からこの大学は,次の学期に関する連絡が遅かったのだが,実際に担当がなくなってみると,こうした連絡を事前にきちんと行なってもらうことの重大さを実感した.

◆とにかく雇用が不安定なことが辛いです.毎年秋になると,次年度のコマが減少しないか不安でなりません.今年度は特に,人数の少ない授業が後期にも開講されるのかが心配で,夏休みも不安でいっぱいでした.時間割編成の結果,受講生数が極端に減少することも多く,大学側にはもっと配慮していただきたいものです.

◆大学院退学後,同大学で大学非常勤として教鞭をとっています.つまり義理人情の人間関係上,思うことを口にすることができません.非常勤初年度2コマだった講義を,2年目に一コマに減らされました.その翌年度再度2コマに戻りました.この間の経緯の理由はまったく説明されていません.しかしどちらも電話一本でした.またいつクビになるかわからない気がします.

◆今は30代前半なので,健康面での心配はありませんが,老後のことがとても不安です.コマ数削減等で生活できない場合に転職できるよう,一般企業で雇ってもらえるためのスキルや資格の勉強をしているため,大学に関連した事としては,授業準備以外,自分の本来の研究がほとんどできていません.したがって,常勤講師の公募にも,現状で研究が疎かになってしまっているため応募できない状態です.安心して研究に打ち込める環境が欲しいものです.

◆来年度から二校二コマ分雇い止めになりました.予備校関連の仕事で主に生計を支えておりますが,こちらも削減傾向になり,来年度の収入は約100万円分減少します.今年の収入によって税金,健康保険料額が定まるので,来年の生活が維持できるか不安です.公募条件も,40歳未満,博士号必須など厳しくなるなかで,人文・社会学系では公募数自体が少なく就職活動も思うにまかせません.このような生活不安を抱えて「研究者」を続けていくことに精神的・身体的限界を感じております.

◆必要な生活費を稼ぐ,という点で忙しく,研究をする余裕がなかった.もし上記の点がいくつかでも改善されていれば,自分の研究をする余裕があったと思う.金銭的に少し恵まれれば,コマ数を減らし,その時間を授業準備以外にも当てられるからである.特に近年,健康保険料に介護保険料が上乗せされ,高額な保険料を支払わされている.それにもかかわらず,一昨年から授業時間が激減し,前年での収入で保険料を支払うために,かなり苦しい生活となっている.今年も新たに働き先を探している.来年度からまた授業数が減るからである.仕方のないことかもしれないが,不安定な状況が精神的にもつらい.

◆不安定雇用の功罪  新型の労働力搾取だと考えます.多くの企業で,各種手当てや厚生年金などの人件費コストが割安で,生涯面倒を見なくてよいからこの形態が増えるのでしょう.本来,同じ時間同様の業務をしたなら同じコストであるべきです.即ち,安い労働力を確保する逃げ道になってしまっている.加えて,責任があいまいな日本の風土では,「正社員なのだから」と額面外の雑用や圧力が増えている.結局,正社員も不安定雇用者もぎりぎりまで労働力を搾取される結果になっています.
 しかし,収益バランスを維持しなければならない雇用者側からすれば,柔軟な人員の増員や削減は経営上有益でしょうし,労働者にとっても,子育てや介護負担の重い時期,存分に働ける時期というのは数年単位で変動があり,休止と復帰がスムーズにできたならばそれが理想です.
 問題なのは,中途半端に終身雇用の意識が残り,リストラというのが「再構築」ではなく単なる「弱者切捨て」になっていることです.厚生年金掛けの労働条件には福利厚生・有給休暇・産休・育児休暇などが準備されていますが,不安定雇用者は理論上そうしたことが謳われても実際にそれが享受できる状態にありません.そうした負の条件があるなら,解雇して他の人を雇えばよいからです.その地獄のような状態をみて,厚生年金掛けの人も,そうした福利厚生を要求できなくなっている.弱者としてリストラに繋がる不安があるからです.
 この悪循環を断ち切るには,厚生年金を廃止して,企業に縛られ企業に忠誠を尽くさざるを得ない正社員を無くすことではないでしょうか?もういちど,企業家と労働者という単純な関係に直すことが抜本策のような気がします.そして,一人の労働者についての最低の賃金要件を定め,労働市場を活発な人材交流の場とすればよいし,企業家はその維持が可能な範囲で事業を展開すればよいのです.戦後,終身雇用を作り上げ,労働者の待遇を上げすぎたことが企業にも経営の維持を困難にさせていると考えますし,リストラされた優秀な労働力が「競争社会の敗者」として無防備に切り捨てられています.

◆収入が不安定なので,将来年をとってからのことが非常に不安である.

◆私は現在は専任教員になっているが,非常勤時代は非常に苦しい思いをした.大学教員は専任職を基本と考え,教員全ての安定した雇用を確立し,非常勤の数は出来るだけ減らす仕組みを作らなければならないと考える.また,非常勤で働く人々についても,安心して働ける仕組みを作るべきだと思う.

◆私は現在大学常勤講師ですが,その前は,非常に長期間,非常勤講師をしていました.ですから,非常勤講師の生活の不安定さ,それによる心の不安は痛いほどわかります.しかも,少子化にともない,その非常勤職でさえ,年々少なくなっています.優秀な方々が,このように社会の片隅にほっておかれる現状は許しがたいと思います.せめて生活の安定化が計れるよう,政府は何らかの優遇措置を講ずるべきです.

◆アンケートにも答えましたが,次年度の更新がなされない時,殆どの場合は,その理由の説明がなく,又説明を求めても,回答を頂けるケースが少ないのが現状です.その場合,自分の教え方がいけなかったのか,学生からクレームがついたのか,大学の意向に沿わなかったのかとその度にかなり悩みます.従って,次年度更新がなされない原因になると困ると思って,たとえ体調が悪くても授業を休講することはめったにできません.又,大学の方針を非常勤講師には知らされていない場合が多く,学生のために良かれと思ってしたことも,かえって大学から注意を受け,更新のことを考えるとそれに逆らえないということもあり,悔しい思いも多々しております.
 ここ数年,週に10コマぐらい受け持っているのですが,そのコマ数は常勤教員の方に比べて決して少ないコマ数ではないにも関わらず,収入の点でかなりの開きがあります.「貴方はご主人がいるからいいじゃない」とよく言われますが,その発言には就労と収入が直結していないということと,女性差別を感じます.配偶者に収入があろうがなかろうが,非常勤であろうがなかろうが,教育を受けている学生にとっては同じなのですから,常勤の先生と同じぐらいの収入が何故与えてもらえないのか常々疑問に思っておりました.しかし,そのようなこと発言すると次年度から更新されないかなと思い,これまで発言できずにいました.

◆ともかく,低賃金 (専門講義.本務校を持たないので,1コマ2万3千円.私学) であり,雇用の不安定が一番の苦痛です.昨今では,カリキュラム再編成の名の下に,雇い止めが増え,生活保護受給額よりもさらに低い収入のなかから,国民健康保険等を払わねばならず,心身共に疲弊してます.


専任との比較

◆各大学の生き残り策として,より魅力のある充実した内容の講義を学生に提供しようとすることは当然のことである.しかし,語学の授業において専任講師2名に対し,非常勤講師15名の体制で対応していることは異常な事態ともいえる.その上,講義内容の充実等により対応しようとするのは理解できるが,非常勤教員に対する学生評価も導入されるなど,教員への要求は強められ,非常勤講師へのさまざまな負担が増えているのに,それに見合った報酬制度はなく,ボーナス制度もまったく考えられていない.同じ内容の質とレベルを持った授業を行っても,専任の講師,教授と非常勤講師の1コマの授業の対価はあまりにもかけ離れているとしか言えない現状ではないか.大学がよりハイレベルの内容をもった授業を非常勤講師に求めるならば,それに見合った対価を支払うのは当然のことであろう.非常勤講師が重要な役割を果たしていること,また,その待遇が恵まれたものでないこと等々,大学の現状については,以前,朝日新聞の社説でも報じられた通りであり,このことを大学は十分に認識し,非常勤講師に対し,正しい評価,待遇を与えるべきであろう.

◆こうしたアンケート調査に向かうたびに自分がいかに虐げられた境遇にあるかを思い知らされ,痛みを覚えるのが正直なところだ.  学生に最も人気の高い我々契約講師 (私は非常勤講師という語に抵抗を感じているのでこう言うことにしている) が最も安い賃金で働き,最も不人気の教授陣が最も高い賃金を食んでいるこのばかばかしいばかりの現実がある.
 学生減に伴い契約講師削減の動きが見て取れる時勢だが,経営のことを思うと専任教員共も解雇すべきではないかとかねてより思っている.何しろばか高い給料を取っているんだからこれが経営を圧迫しないわけがないじゃないか.
 専任と契講との給与格差が余りに大きくて考えるのもばからしくなる.この格差については文部科学省に調査を申し入れてはどうか.放置できない重要問題である.専任教員が少なくとも1千万以上の年収を得ていてこれは私のそれの4,5倍である.兎に角,契講はないない尽くしではないかと思う.身分保障はなし,一時手当てなし,年金なしなのだから.契約講師の人達,いずれ大学を去った後はどうして暮らしていくんだろうか.
私の勤める某大学,学生少ないため,担当2クラスの内1クラスは学生なし,よって1クラスのみのため出講.これでは来年度の担当はことによると1クラスだけか,悪ければ今年度限りで雇止めかと案じる昨今.後者もそろそろ覚悟が要りそうな雲行き.

◆上記の不満点として「賃金が低い」を選びましたが常勤の方と較べての話で世の中一般をみればそれほど低いとは思いません.今は年齢的なこともあり授業数を減らしていますが目一杯働いていた時は年収も700万円を越していましたし,年に5ヶ月休める職場は他にはなく比較的恵まれた職業だと思っています.ただ今後は学生数の減少もあり若い講師の方は大変だろうとは思います.[4.4]で (B) を選びましたがもっと若ければ (A) を選びます (編注:社会保険加入について).いつも疑問に思うことですがどうして専任の職にある方が他校でアルバイトをするのでしょうか.そんな時間があれば自分の学校の学生の面倒をもっと見るべきです.work sharingという考え方からも専任の方のアルバイトは禁止してもらいたいものです.

◆いつもお世話になっています.ご苦労様です.この集計も大変だと思いますがよろしくお願いいたします.本来的には専任も非常勤も教える価値は同じはずで,専任は,それに雑務が加わったものが給与の根拠になるべきだと思います.現行の非常勤講師待遇を改善するために現在の講師料+αの発想を変えることが必要ではないでしょうか!ボーナスに関しても専任にあって非常勤ゼロというのはいかに考えてもおかしいと思います.

◆大学設置基準にある常勤教員の定数を減らし,もっと非常勤教員を増やすべきだと思います.仕事のできない常勤教員の存在が大学の財政を圧迫しており,そのつけが非常勤に回ってきているのだから常勤採用を求めるのではなく常勤の削減を求めるのが有効な戦略だと考えます

◆世の中全体が「同一労働・同一賃金」になっていないのだから仕方のない面もあるが,専任と非常勤では天地の差がある.これは政治問題と思う.専任の給与も中学・高校と同レベルまで引き下げるべき.専任採用基準に「裏」があるのも問題である.

◆専任教員は概して教育について関心が低い.演習・ゼミなど実務経験の多い非常勤でかなり人材の育成に寄与していると感じている (外へ出てすぐに役立つ教育).

◆添削が必要な授業といった手間がかかるものは非常勤講師にやらせ,専任の先生方は,いわゆる“楽な”授業ばかりやる大学がある.

◆5年位前までなら専任が受け持つ再履修の4年生〜8年生等を非常勤に受け持たせ,専任はおいしい所,advance English等をしている.非常勤はそこまでの権限なく,もっと気楽なはずです.心から専任になりたいです.または,身分保障 (年金,保険) を充実させてほしい.果実のシンと皮だけを下さいます.

◆常勤のように確かに雑用はありませんが、コマ数は同じ位もっているのにあまりの保障の違いがとても残念です。

◆わからない授業を行う専任教員や実力の伴わない専任教員が分かる授業が出来る非常勤講師や実力ある非常勤講師よりも優遇されることは,教育上もよくない.同等に切磋琢磨されるべきだと思う.

◆専任教員との待遇の違いに苦しんでいる.能力差ならば納得もできるが,非常勤の方が最先端の研究成果と教育内容を提供しているのに,それが給料に反映されず,その差が5倍以上もあるのは不公正である.

◆非常勤に大学教育の大半を頼りつつも,まるで非常勤など存在しないかのように振る舞い,学内行政に現をぬかし,保身にはしっている一部の専任たちには憤りを覚える.専任たちが自らの生き残りのために企画する空虚なプロジェクトなどは,真に学生のためにはならないであろう.授業担当以外の仕事を「嘱託」として行っている場合は,勤務時間がフルタイム以上になることも多く,常勤教職員との待遇格差は更に大きくなるが,既得権益にしがみつく旧タイプの労働組合はこの種の問題を問題として認識していない.

◆大学では専任,任期つき専任,非常勤講師,会社では正社員,契約社員,パート,アルバイトなど,日本社会全体はなんと人為的な差別が多いことだろうとつくづく思います.同じ仕事をしても,その待遇は天と地の差があります.語学のみならず,専門の講義も多数担当し,学生からも高く評価されているのにもかかわらず,給料は専任の何分の一しかなく,その上保険も年金もいっさい保証されず,研究費もない.海外での学会などを含めて,すべて自費で多額の研究費を費やしても,税金面経費としては認められない.それゆえ,専任よりはるかに高額の国民健康保険費を払った上に,所得税や住民税も高く徴収されてしまう.ほんとうに二重三重の不公平を受けているように思えて仕方ないです.

◆常勤校のある教員は,他校での非常勤を小遣い稼ぎで行うことはやめてほしい.若手の研究者は分野によっては非常勤の口にさえ飢えているのが現状である.常勤校のある教員による非常勤のポストの占拠は,若手研究者の芽を摘む悪逆非道の行為であることを認識して欲しい.

◆非常勤の給料がこれだけ安いというのは,実際には大学は教育に投資するつもりがないと言うことでしょう.まさか学生も,非常勤とはいえ大学教員が,サラリーマンの平均年収にも満たない収入で働いているとは思ってもみないでしょう.最近は専任の先生との給与格差を考えて,もっと質の低い授業を提供すべきかもしれないなどと,意地の悪いことを考えてしまいます (実際には学生を相手にすると,そんなことできませんが).教学改善の名のもとに,負担は増大するばかりなのに,給与格差は一向に改善しないばかりか,非常勤給与の予算枠削減などという噂を聞いたりもします.

◆専任と非常勤の待遇差が大きすぎる.仕事量,内容に不似合いな高額収入を当然のごとく貰っている人が多すぎる.生徒にとっては専任も非常勤も同じ大学の先生です.生徒は差別なく「仕事」を言ってきます.非常勤の給与昇給をストップしたり,非常勤数を減らしたりして経営を安定させようとしているようですが,それよりも専任の給与をカットすべきかと思います.

◆専任教員以上に教育活動に情熱を注ぎ,工夫を凝らした講義をしている非常勤教員も少なくありません.専任の方々には教育活動以外の様々な校務があることを差し引いても,同じ仕事に対してこの待遇の差はやはり納得しがたいものがあります.(賃金格差もさることながら,雇用の不安定さ,社会保険無加入など)

◆常勤になりたいと思う点=ボーナスがある/雇用が安定している/補償が多い/大学の中に研究室があり,研究用の資材を保管できる/「大学教員」としての地位が確立している.  非常勤のほうが良いと思う点=会議等がなく,自由な時間をもちやすい/学生との関わりが授業内だけに限られ,拘束されない/いろいろな大学 (学生) と関われるので,広い視野をもちやすく,勉強になる. 非常勤の待遇がもう少し良くなれば (主に賃金と安定雇用の面で),むしろ非常勤講師のほうが良いかもしれないと考えています.

◆専門科目といわゆる一般教養科目 (共通教育科目というところが多いようですが) の「格差」のもとで講義の進めにくさを感じています (担当はほとんどが一般教育科目です).学生の取り組み方の違いや,1科目の学生数の多さが気になります.私の科目は出身学科がアレンジしているのですが,古い大学の体質が残っていて,一般教養は本務校のない非常勤講師が,専門は非常勤でも本務校のある教師が担当するのが基本です.そこで専任教員は自分の専門の学部を担当することになり,他学部の学生のことはあまり理解していません.そのような教員が作ったテキストを使うことを間接的に強制されます.こちらも間接的に,使いにくいと話すのですが,テキストを使わないことは認められません.
 また,年齢を重ねると学生の学問や大学に関する考え方と自身のそれとの差異が大きくなってくるのを感じますが,大人数の一般教養科目だけの担当では,学生のあり方をうまく把握できません (講義での感触とアンケートで現れるものにもずれが出てきます).3回生,4回生とどのように彼らが成長してゆくのかもつかめません.担当科目の性質上,少し長いスパンで見てゆきたいと考えるのですが,そういうことは不可能です.

◆常勤講師と非常勤講師とのいろいろな面での格差がもう少し縮小すれば・・・と思います.せめて,生活していけるだけの収入が欲しいなあ・・・とつくづく思います.

◆専任になった途端,研究や授業がおろそかになる人がしばしばいる.また,非常勤の中にもいい加減なことをしてる人もいる,そういう人たちと一生懸命頑張ってる人間が一緒にされて大学内外で評価されることが悔しい.専任になるのも,コネで全く実力がない人がなることがままある.会社や他の業種でもそういうことはあると思うが,それでも会社などはどこかに入社すれば済む話.しかしこの業界は専任かどうかが天国と地獄で,先々まで生活に即響くのがしんどい.非常勤もある程度は生活の保障がされないと人並みの生活ができないというギリギリのところで生きている.

◆専任の先生も,専任を一人やめさせたら非常勤を3人雇えると言われるなど,プレッシャーをかけられているが,もし病気などになった場合,身分がまだ保障されているのでまだましだと思う.

◆社会保障もなく,敬意もなく,ただ学生さんへの責任だけが年々重くなっています.  私たちが一週間フル出勤で働いても,専任の先生の収入の三分の一にも満たないのです.専任の先生は週に三日ほどの登校で,年収も研究に打ち込める環境ももらえるのです.
 せめて給与や社会保障の格差が小さくなればいいのですが,そもそも,専任になる基準が非常に曖昧で,徒弟制度の悪い面が未だに残っています.実績が少ないにも拘わらず労せずして専任になれる人を多数見てきました.そして全く論文を書いていないのに,専任を続けられている方々も見てきました.もう少し透明性のある人事が行われるようになるよう,願ってやみません.


非常勤の取り扱い

◆ある大学での,いやがらせについてご報告いたします.ある英語の教授が,過去2年の,非常勤の日本人の教師の休講の数を表にして送りつけてきて,その下に,文章で,『休講にする,というのは異常なことです』と書いてありました.表には,私の場合,過去二年で,二日,休んでいましたが,”2”という数字ではなく,3コマ×2で”6”という数字が表示され,そしてどちらも補講をしたので,補講のところにも6と数字があるのですが,補講にはふれずに,『異常なこと』と書いてあって,とっても非人間的な感じを受けました.なぜかといいますと,二度とも,体が不調で休まざるを得ず,一度は,休講をしないように,朝,一番で医者に行ったからです.でもその医者に別の医者に行くように言われ,病院から,やむなくどうしても行かれませんと,電話をしたからです.はってでも,いくつもりで,いつも,休講をしないように,していました.でも,やはり,人間ですので,医者に行ったことを,異常と書かれているのは,とても腹がたち,果たして,非常勤の人権はどうなっているんだろうと,思いました.
 いつかこういう日が訪れ,彼が,その非人間的な行為の数々を反省してほしいと思っていました.キリスト教の精神からは程遠い人です.でも非常勤をしておりますと,これらは,彼という個人の特異なケースと思われますが,多かれ少なかれ,ひどい仕打ちを受けます.それは,でも,個人というよりも,日本の教育のあり方全体の問題と思います.
 『非常勤は,一年契約なので,そのことを肝に銘じるように!』などと,いきなり非常勤の集まりでその学校の先生から言われると,果たして,自分たちの都合で,こんなに不安定な形で,なにひとつ保証せずに,安価な労働力として雇っておいて,なんという言い草だろうと思いました.教育という場を考えると,こんな風に,人を扱うのが普通になってしまっていて,果たして人を育てる資格なんてあるのだろうかと,すごく疑問です.

◆自分のやりたいことや家庭との両立を考えて非常勤という勤務の方法を選んだので特に不満はありませんが,欲を言えばもっと大学内部の情報を知らせてほしいと思います.入試のこと,クラブ活動の情報,会議での話し合い事項など.責任もないけれども,専任の先生方の仲間にもなれないという淋しさを感じることがあります.

◆大学における非常勤講師の役割が大きいにもかかわらず,その社会的地位が低いのは非常に悔しいことだと思います.国なり自治体が対処していかないとこの国の将来は危ぶまれます.

◆専任の先生のお気に入りの非常勤の先生はコマ数を多く与えられています.またその大学の出身者は優遇されています.私は来年度,ある国立大学で (セメスター制) 半期分を減らされました.そのことを伝えられたときは「ほとんどの先生方は3コマから2コマに減ります」とのことでしたが,時間割が発表されますと私だけが減っておりました.私はその大学の出身ではありません.ほかの方はほとんど出身です.不満や不信を直接言いますと「それならやめてください」といわれるのが恐ろしいので,そのままにしています.
 また外国人が優遇される傾向にも納得できません.ドイツ語の非常勤のコマ数は激減しておりますのに,ドイツ語を専門にしていない人を雇われた大学があります.専任の先生との人間的つながりが優先され,長い間勤めてきた人に犠牲が強いられています.

◆経験年数が少ないためさまざまな事情がよくわからないということもあります.今秋,来年度の非常勤講師で講座を受け持ってほしいとのご依頼を他の大学から頂戴いたしましたが,その際「出講料は些少しかさしあげられない」と言われただけで具体的な数字をあげての条件提示がないまま諾否を問われました.紹介してくださった方との関係を考えて結局お引き受けすることになりましたが,具体的な条件提示がないまま諾否を求められるのは現在の勤務校からお話いただいた際も同様で,もしこれが大学教育界の「常識」なのだとしたら,その点は不満です.ならば「訊けばいいのではないか?」と言われるかもしれませんが,「訊かなければ言わない」という考え方に疑問を感じるということです.

◆非常勤は部外者扱いをされ,学生の情報を得るのにも苦労します.非常勤を含めた教授会を開催し,教員間の連携を図るべきです.

◆非常勤を単なるコスト削減要員としてしかみていない大学の対応が悲しい.

◆控室にあるコンピューターは廃棄前のボロばかり,たまに新しいコンピューターが入ったとしてもインターネットに接続できなくしてあったり,プリンターにはわざと接続しておかなかったりと,このような露骨な大学側の対応に接すると教える気力もなくなる.「お前らはクズだ!!」というシグナルがバシバシ発信されるのを感じます.

◆多くの大学で,非常勤講師の人事を専任教員があやつるのが現状だが,これを改めるべき.といっても,その大学の事務職員が担当しては,尚更不適切となることは必定.

◆少し厳しい点をつけたり,学生に人気がないと,へんな時間帯や変なクラス,連続時間がなく,冷遇されます.勤務校がこれを知ると,さらに冷遇されるかもしれません.

◆最近は”逆”性差別があり,女性の方にコマ数を優先される傾向にある.

◆「国立大院卒」差別.「うちの学校は国立を出られた優秀な方に授業をやっていただかなくても…」的発言.

◆経済的な考えで,専任ではなく,非常勤,嘱託教員を大量に雇用することが,間違っていると思う.3年以上,一校で持続勤務していると,専任になるべし.

◆「非常勤講師」という名称,変えられないでしょうか?「非」という言葉に,何もかも否定されている感じがするのですが…

◆非常勤講師は人間として扱われていない.

◆非常勤で10年以上安い報酬で使っておきながら,専任にはするつもりはまるでない.ただの調整弁としか扱われていない.情けないことです.

◆採用する時に研究者としての業績を求めるのなら,それなりの扱いをしてもらいたいと思います.少なくとも共同研究室やロッカー,教材置き場などはきちんと確保してもらいたいです.研究費などもある程度与えられてしかるべきだと思います.

◆非常勤職を経験したことのある専任教員は,非常勤講師におおむね丁寧に対応してくれている.しかし,そうした経験のない (あるいは短い) 専任教員は,こちらの辛い立場や惨めな気持ちに対して鈍感であり,心のこもっていない言動を平然と取っている.さらに,大学によっては事務職員が専任と非常勤への対応を差別しており,不愉快であってもひたすら我慢するしかないのが現状である.

◆数年前ある研究部会で10人近くのチームの共同翻訳をすることになり,原著400ページ超の翻訳の130ページほどの担当を無給で任されました.この仕事分担だけでも意味不明であり,しかもわたしの専攻とはまったく関係のない本なのです.専任教員がまったく仕事をせず,今年始めに私が抗議したところ,チーフより今年度中の出版の確約を得ました.しかし,チームの専任教員が一名逃げ出してしまい,その尻拭いが私になぜか押し付けられ,最終的に210ページ担当です.さすがにもう信じられません.そんな無意味な仕事に自分の研究を犠牲にする時間があれば,自分の研究成果を学会誌に投稿するなり博士論文を完成させるなりして,少しでも就職のチャンスにつなげたいと思います.しかし人間関係からことわることができず本当に困り果てています.

◆コマ数カットや賃金カットを大学当局・学部当局から通告された際に,こちらから問い合わせるまで,同僚の専任の方からなんの連絡も説明もなかった,という経験がある.このような体験は,非常勤講師のやる気をそぎ,希望を奪う.

◆私立大学で非常勤講師 (専業) をしている.数年前から3,4年生の演習・卒論指導を担当している (各学年10名前後) が,研究室がないため,個人指導をする時間や場所の確保に困ることが多々ある.また週1度しか出校しないためどうしてもメールでの指導が増えるが,それが非効率で仕方がない.卒論審査の副査も割り当てられ,査読に時間をとられる.春休み中に新ゼミ生への対応を求められて出校しなければならない日もあり,とにかく負担が大きく不満である.かといって,私にはオファーが来た仕事を断る勇気はないのだが,これほど割に合わない卒論指導の仕事を非常勤に依頼する無神経さも耐え難い.

◆複数の大学で非常勤をしているが,大学間での非常勤への待遇 (経済的・精神的) に違いが大きい.はやく専任になれればいいですね,そのためには非常勤の大学をどんどん利用してください,できるかぎり協力します,というような大学から,たかが非常勤講師なんだからだまって働け,というところまでさまざま.専任教員もそのほとんどは専業非常勤講師だった経験があるはずで,また大学も非常勤講師に依存しているのに! また学生の授業評価が高いとそれはそれでいやみのようなことをいわれる (非常勤講師だからクビになるのがいやで人気とりをしてるんだろう,とか).低ければ低いでいやみをいわれる,もしくはクビになるはずで,結局,目立たず無難なことをするしかないのであろうか.

◆非常勤教員の履歴書に関して,専任の方が,「非常勤ばかり履歴書に書いてあって気持ちが悪い」から雇う気になれないと話をしていたそうです.常勤の仕事を探しながら,非常勤で経験を積んでいくのが大切なことと思っていましたが,実情は,新卒でなければ,非常勤の仕事をした大学の常勤への道は全く無いという事のようでした.沢山の学校に非常勤で通えば通うほど,常勤の為の就職活動先が減ってゆく皮肉な話になっているようです.○○市だけなのかもしれませんが・・・・.しかし,非常勤でも下請け仕事を一生懸命こなして生活の糧にしている人間を気持ち悪い呼ばわりする人もいるんだと悲しくなりました.

◆非常勤という身分とは必ずしも関係がないかもしれませんが,女性で年齢が若く見える (らしいのですが) という理由で,軽く扱われる (と本人は感じています) ことが,しばしば絶えがたくおもわれます.非常勤だからかどうか,とある女子大の教員控え室付き事務方の女性の態度が,ときどき自分にふさわしくないもののように感じられ (思い込みだ,といわれてしまえばそれまでですし,その程度のことはどんな職種でも職場でもある,といわれてしまえばそれまでですが),内心苛立ちを禁じえなかったこともあります.
 女性で,独身で,留学までしたのに,非常勤の身分にまだ甘んじなければならない現実に,何とも言えぬ思いを味わうことがあります.ただ,こういった類いのことは,制度改革などでは対応しきれないことかと存じます.

◆私の専門は異文化理解論であるが,現在語学も教えている.一般的に語学を教えている教師は大学での地位が低く,学問として大学側も認めていない.若く,明るい外国人だったら誰でもいいという考え方が横行している.文書等では,国際化や語学の必要性を謳いながらも,語学教師に対する労働条件を見ると差別意識がはっきりと表れている.また,大学側の年齢差別も大きな問題だと考える.若く,社会経験のない教員が好まれ,経験豊かな教師が疎まれる.日本における公募時の年齢制限は諸外国では「差別」以外のなにものでもなく,国の教育機関である大学がいまだにそのような差別を当然のこととし,公募に年齢制限を設けることは国の「恥」ではないだろうか.

◆非常勤講師の雇用は常勤の講師ではなく,非常勤の講義だけ担当している講師優先でおこなってほしい.そして非常勤の講義だけでも3コマ以上勤めれば,最低限の生活が保証される制度をつくってほしい.

◆雇い止めはないが,ある大学で一昨年,翌年からのコマ数を減らすと言われた.その理由は,その年の受講生が少なかったからとのこと.しかし,それは必ずしもこちらの問題ではなく,たまたまその年の授業時間が専攻科目とバッティングしたために,私が担当する自由選択科目の受講生が減ってしまっただけであった.その事実は事務からも聞いていた.コマ数減を言ってきた専任教員に,コマ数を減らされるのは困ると渋ったところ,「同意してもらえないのなら他に探すしかありませんね」と言われた.なんと配慮のない,専任であることの権力を振りかざした高慢な言い方であろう.大変な憤りを感じたが,生活に響くので仕方なく同意せざるを得なかった.数年間その大学で教えてきて,熱意を持っていろいろ努力してきたつもりであったが,非常勤なんて所詮,弱い立場だし,誰でも代わりがいる捨て駒と考えられているのだと実感した.それまでの自分の実績などまったく評価されないことが分かったため,モチベーションは大きく低下し,その大学での熱意は失われてしまった.学生に罪はないので,もちろん,授業は精一杯やるが,プラスアルファの情熱はないし,いろいろな面で割り切って考えるようになった.もちろん,コマ数減は会議で決まったことで,その専任は単に連絡係であったにすぎないが,同じ教育に携わる人間として,専任のベテラン教員による非常勤講師の軽視姿勢は許せないと思う.おそらく,非常勤講師に対する処遇がこのようである限り,非常勤講師の多くは熱意を失うであろう.

◆専任教員の専業非常勤講師に対する差別意識をしばしば目にする,もちろん全員の専任ではないが.一番印象的であったのは以下の思い出である.5年ぐらい前の春先の非常勤講師と専任の講師懇談会の場であった.会議後の懇親会の席で,35年以上 (?) 専業非常講師を勤められた英語の先生が,70歳の定年をむかえられた.花束の贈呈と拍手が巻き起こったが,ある専任の高齢の英語の先生が,拍手もせずぶ然と席にすわっていた.私の主観的な印象だが,大学に長年貢献した先生に対する感謝の場での「侮蔑的眼差し」にみえた.学校当局の搾取に荷担しておきながら賃金等の差別扱いの上に,精神的にも蔑視するようでは,本当の敵のイデオロギーの虜になっている.一般社会もそうだが正社員とパート社員ないし社員外労働者等,古代ローマや英植民地下のインドでの分割統治の現代大学構内版ということか.


出産,産休,育休

◆産休・育休がまったくなく,求めれば解雇の恐れがあるため (パートタイムの産休・育休使用規定はあるが更新が前提で,非常勤の場合,専任教員の意思にかかっている場合が多く,まったく保障されていない),出産直前まで仕事し,帝王切開で出産したにもかかわらず,3週間休んだ (春休み中であり,春休み中に出産できるように計画妊娠せざるを得なかった) だけで,すぐ新学期の講義を行い心身ともに死ぬほど苦しかった.
 しかし,第二子を夏休みや春休み中に産めるよう計画出産できるか不安で,産めずにいることがもっとつらい.少子化の一因は非正規雇用の不安定さにあることは明らかであろう.せめてこの点だけでも改善してほしい.学生から同情されるだけで,何も解決の糸口が見えない.

◆産休等の制度がないため,出産となると全ての職を失ってしまいます.そのせいで私だけでなく多くの女性非常勤講師の方が出産に踏み切れずにいると思います.日本の出生率低下を本気で危惧するのであれば,政府はこういう問題をこそ重視すべきであると考えます.

◆就業中に子供を2人産みましたが春休みや夏休みを利用せねばならず大変でした.臨月まで働き,陣痛中に採点をし産後もすぐに仕事を再開しました.代わりがおらず,また,仕事を他に譲ると「返してほしい」とも言えないので結局無理をしました.保障の充実を切に望みます.

◆ある大学は常勤の力が強く,子どもができればやめて下さい.病気で休んだあと次の期からその先生の名がありませんでした.びくびくものです.年齢的な事もあり,子供もほしいけど働く場も失いたくない、のジレンマです.高学歴でもこの分野,非常勤の職を得るのも大変です.もう少し立場が保障されたらと暗い日々です.

◆女性の非常勤講師として,特に産休や育児休暇の保障をいただきたい.産休や育児休暇のため,仕事を失う恐れがでてくることは,働く女性にとっては大きなプレッシャーになっています.妊娠・出産の時期を計算してまで仕事に支障をもたらさないように努力する女性の非常勤講師たちの姿を見て,本当にかわいそうに思います.女性が安心して子どもを産んで,一年間後に職場に復帰できるような保障があってほしいです.

◆30代前後の女性非常勤講師にとって,妊娠・出産をすると離職せねばならない状況になっているのが現状です.少子高齢化とは言われますが,一度職を失うと,復職することは難しく,研究も行えなくなることを考えると,妊娠・出産に踏み切れません.同世代で同様の立場の女性からも同じような意見を聞きます.  非常勤講師のための非常勤は雇えないと言われますが,女性の妊娠・出産については特例措置を取ってもらいたいものだと思います.

◆大学で非常勤講師をしながら2人の子どもを育ててきました.今年から下の子が小学生になり,放課後保育をしてくれる学童クラブに入りましたが,来年度の申請時に,『就労証明書の就労時間が規定の1日5時間以上に達していない日があるので,継続申請しても入れないかもしれない』といわれました.現在,5つの大学で週に9コマ持っていますが,その状態で学童クラブに入れないかも知れないとは正直ショックでした.どこの大学でも就労証明書の就労時間には担当コマ時間のみしか証明してくれません.授業に必要な準備や教育・研究にかかる時間は一切証明がでません.子どもが保育園に行っていた時から,『家にいる時は家庭保育に協力してください』とさんざん言われ続け,産休も取れず,全部の非常勤講師をやめた時もありました.最近では組合執行部の方々のご尽力により,産休による雇い止めはしないなど明記している大学も聞きますが,まだまだ実情は厳しいものがあると感じました.

◆私の場合,女性ということもあって,現在まで常勤の職が決まっておりません.あまり論文数の多くない方でも,同じ研究室の男性の後輩は次々と就職が決まり,活躍していく中で,私を含め女性研究者はなかなか常勤職が決まらず,今年度非常勤さえもゼロという女性もいます.母校の助手をした時まで,この日本にこんなに女性差別が残っているとは思いもしませんでした.客観的な採用試験を行なわずに,教授会だけで採用を決める大学の教員採用システムは,ある意味一番女性差別を温存している所ではないでしょうか.又,私は非常勤講師をしながら子供を産んだのですが,勿論産休など取れるはずもなく (産休を取れば非常勤の担当から外されるので),非常勤講師をしている大学に内緒で3月に子供を産み,産後3週間で大学に復帰というハードなことをせざるをえませんでした.しかし,私の場合は,幸いにも近くに母がいて子供を見てくれたので産めましたが,近くに見てくれる親のいない方は,常勤が決まっていなければ保育園にも入れないのですから,大変です.たとえ非常勤講師でも産休が取れたとしても,保育園に子供を入れることができなければ,子供を産むか,非常勤を辞めるかという選択を迫られます.これでは子供など安心して産めません.少子化など止まるべくもありません.又,現在大学によっては,非常勤講師を減らして今まで非常勤講師が受け持っていた授業を常勤講師に振り当て,常勤講師の負担を重くしている所もあります.夫を病気で失い,現在一人で子育てをしている私の友人の女性教授は,土日にもシンポジウムなど仕事があるので,殆ど自分の両親に子供を預けづめで仕事をしています.常勤職の改善も必要だと思います.保育園が充実し,常勤を多くして常勤でもゆとりが持てるようにし,そして,アメリカの様に国がマイノリティの雇用義務を課してくれない限り,能力とやる気のある女性が男性の中に入ることは「前例がない」ということで難しいと思います.何故ならば,採用を判断するのは,多くが「産む必要のない」男性だからです.
 現在の大多数の大学の経営は,給料の低い非常勤講師で成り立っていると思います.ですから,非常勤講師の問題は各大学だけの問題ではなく,大学に補助金を与えている,そして女性が研究を続けるのが難しい社会を作っている国の問題でもあると思います.そうなると一介の非常勤講師ではどうにもなりません.何とかならないかと今まで心底思っておりましたが,発言できる場もありませんでした.ですから,非常勤講師の組合ができたり,このようなアンケートをしていただけることは,本当にありがたく思います.貴組合の活動によって,非常勤講師にも,努力と成果に見合った環境や収入が与えられるように改善され,又非常勤講師が希望すれば (女性でも) 常勤になれるようになればいいと切に思います.貴組合のご活躍を心から期待いたしております.

◆子供を産みたいと思うのですが,産休が取れず,一度辞めてしまうと翌年雇用してもらえる保証がないのでなかなか産む気になりません.


交通費

◆交通費支給についての質問がありませんでしたが,不明確な大学もあります.一律1回2000円など,実費でない.

◆他県から通っているので交通費が全額支給されません.また,授業準備の手間を考え合わせると賃金も低いと思います.常勤との格差も大きく常勤職に就けるかどうかで天国と地獄がくっきりと別れてしまいます.

◆交通費で時間的に一番良い交通手段の運賃を支給してくれず,あくまで一番安い経路の運賃しか支給されず一部自己負担になっている.
現在,○○大学などで非常勤をしております.昨年度に駐車場が完成し,今年度から非常勤にも施設利用料 (駐車場代) を半年ごとに12,000円 (年間24,000円) 請求され,支払っております.非常勤というのは大学から依頼を受け担当しているのに,一方的に駐車場を作り,料金を徴収するのはおかしいのではと思います.非常勤は立場が弱いので,皆さん泣き寝入り状態です.法律上,支払いを強要されるものなのでしょうか?

◆勤務先まで自宅から公共交通機関では非常に時間がかかるので自動車通勤しています.大学側は通勤交通費として大学最寄JR駅からのバス代分 (片道円×270円/1出勤) しか支給していません.しかも「バスの回数券を買った領収書と引き換え」です (仕方が無いので買って領収書をゲットしてから金券ショップで券を売却,1割ぐらい損します).
 事務方に少し苦情を言ったら,人事担当理事から呼び出され「あなたが勤めたいというので採用しているだけであって,別に講師希望者は他にも居るから」「国立大学の先生,というステータスは金を払ってでも欲しいのだろうからこの際,非常勤の本体部分も削減してあげようか」と恫喝されました.昨年度は,1回出勤すると朝から晩までどこかの学科で講義が出来るように配慮してくれていたのですが,今年度は削減されて1コマだけ.車で50分掛けて通勤し1コマ90分講義をして生協で昼ごはん食べて帰る生活です.ま,こんな大学に未来は無いと思っています (私の未来も無い??).

◆駐車場はこれまで無料でしたが,今年度より,昨年秋に完成した有料駐車場に入れなければならず利用料を請求されています.4月に4〜9月分として1万2千円,9月に10〜3月分として1万2千円支払いました.非常勤で生活している者にとって痛い出費です.電車を利用すればいいのですが,講義終了後,他の大学に行かないといけないので,どうしても車を利用します.

◆○○大学はこの春から,駐車場の使用料を,一週間に一度しか来ない,しかも夏・冬・春休みにはまったく来ない非常勤教員からも徴収し始めました.一ヶ月2000円を半年分ずつの前払いで,年間24000円です.せめて一ヶ月分ずつ払うようにしてもらえれば,まだ納得も行くのですが.
○○大では毎年4月に交通費に関する書類をはんこだけを押す形で提出させられ,どういう計算方法か示されないまま,12月と3月にそれぞれ前期と後期の分が,私の場合だと1万2千円ほど支払われます.私は車で通勤していますが,何を基準にそれだけが支払われているのか分かりませんし,遠方から電車とバスを乗り継いで通勤している非常勤の同僚には実費分が支払われていないようです.卒業生の場合自分の大学で非常勤講師として働けることが喜びである場合が多く,それにつけ込んでいるようなところがあると思います.

◆以前に二つの私立大学で講師を務めたが手当てが少ない.本務を離れる場合,自宅からの交通費を十分に手当てしてほしい.

◆週1日,半日しか利用しないのに,なぜこれだけ高額な代金を非常勤に請求するのでしょうか?しかも長期休暇中で全く利用しない8月や2月3月の分まで支払わないといけないのか理解できません.  他にこのような不満を持っている○○大学の非常勤講師が居れば是非意見を集約し,学長に団体交渉して欲しいです.無料になった暁には,貴組合に入会したいと思っております.どうぞよろしくお願いいたします.


社会保険,労災

◆非常勤のみであるものには社会保険や雇用保険への加入,研究費の助成がされるように改革してもらいたい.

◆大学ごとに見れば週1〜2日の勤務でも講師自身にすれば週5日のフル勤務です.それにも関わらず厚生年金に加入できないことは理不尽に感じて仕方ありません.派遣社員でも加入できる今日,私たち非常勤の労働条件も、もう少し改善されないものでしょうか.

◆健康保険を大学側で,一部でもいいから補助してもらうことはできないのだろうか?家賃と一緒に,生活費の中で一番負担が多い.

◆社会保険にいれて欲しい.

◆アメリカの大学に勤務していたときも,非常勤講師の雇用実態は日本とよく似たものでした.ただ,あちらではコマ数が規定以上ならば社会保険をはじめ,大学が提供する豊かな福利厚生をつけてもらうことができました.日本のように,何コマ教えても共済に入れてもらえないというのは,パートでも正社員の四分の三以上勤務すれば社会保険に入れるという法律に違反しているのではないでしょうか? 是非改善してほしいです.もう少し担当を増やしたいが,そうすると第三号被保険者から抜けてしまって逆に収入が減ることになるため,動きのとれない状態になっています.

◆社会保険に入れるようにしてほしい.一定の基準を満たせば社会保険に入れるフリーター,パートよりひどい待遇だ.

◆大学で教えているけど,私学共済に参加できないのはおかしいと思います.

◆大学全体のレベルアップのためにも非常勤パワーを有効に活用していただきたいです.保険と研究室・研究費をいただければ教育・研究にいっそう力を注げると思います.我々の声をぜひ社会や政府そして大学に伝えてください.よろしくお願いいたします.

◆授業中,ケガをして保健室へ行ったら,非常勤講師の治療はできないと言われ,近くの病院まで行った.治療費は自費だった.

◆社会保障の格差もひどいものです.うちは妻も非常勤講師で2コマしかありませんので,普通のサラリーマン家庭ならば国民年金は3号になれるはずです.3号自体問題のある制度かもしれませんが,「働き方」による社会保障制度の差別は,許せません.


健康診断

◆○○大学で今年からやっと集団検診がうけられるようになりよろこんでいます.△△大学では,組合からの要求が提示されるとすぐに実施してくれました.それでずっと△△大学で検診してもらっていました.○○大学しかいってない講師もたくさんおられるので大変よかったと喜んでいます.集団検診は当然の権利です.  又,事業所として大学が全非常勤講師にしらせるよう (それは義務です) はっきり皆に分かるように告知するよう組合でもチェックしてください.お願いします.

◆今年から健康診断を受けられるようになり,とてもうれしいです.前から要求していましたが,組合の役員のかたが交渉してくださったおかげだと感謝しています.さっそく受けてきましたが,簡単な基本的な検査に限られていることは少し残念です.胃部・心臓・肺の検診はありませんでした.ありがとうございました.


奨学金

◆前回のアンケートにも記入しましたが,日本学生援護会の奨学金の返済を常勤はしなくてよい,非常勤はしなければならない,しかも年収や家庭状況に一切関わり無く,というのは本当におかしなことです.  最悪の不良債権の一つだそうですが,払えない人から取ろうとしているのだから当然のことです.常勤から取るのは簡単のはずです.特に国立大学時代は国立大学の常勤教員から取るのは造作も無いことだったはず,国が給料を払っていたのですから.ドイツでは就職できた人が払うことになっていると聞きましたが,それが当然ではないでしょうか.
 そもそも,奨学金と言っても,学費が高いこと自体がおかしいのですから (イギリス,フランス,ドイツなどでは,国民の学費はほぼ無料ですよね),貧しい人にお金を貸して (それも不法に高いものの支払いにあてるため),そしてその貧しい人から,とりわけその人が貧しいままである場合を狙い撃ちして返済を迫るというのは,国のやることとは思えません.

◆国保や年金,税金に加えて,育英会奨学金の返済が大きな負担になっているフリーの講師は,私も含めて多くいると思います.常勤の職に就ける見込みはほとんどなく,将来が不安ですが,まじめに返還しています.せめて確定申告で控除の対象になるなどの救済措置があれば,気持ちだけでも救われます.世間の人々がボーナスをもらう6月と12月に,逆に2回合わせて30万円以上の金額を払い込んでいるわけですから.一度はボーナスというものをもらってみたいですが,多分一生無理でしょう.せめて雇い止めのときに退職金が欲しいです.来年度の勤務が2校減ります.

◆周知の通り,奨学金返還はただでさえ大変な経済状況をさらに圧迫している.常勤の研究,教育の職にないものは返還しなければならないという規則は,今よりもはるかに研究者の就職が容易であった時代のものであり,非常勤講師が担当するコマ数の割合から見ても,「常勤の職にないものは教育,研究に貢献していない」という判断は明らかに誤りである.こうした状況もふまえ,そろそろ見直してほしい.


任期制

◆大学の専任もドンドン任期制にし,できの悪い教員はドンドン取り替えるようにしていってはどうか.創意工夫によって授業が活性化するとおもわれる.

◆最近は任期制で募集するところが多いですが,3年等,任期が終わった後,また非常勤の職に戻る人が多いのでしょうか.今後アンケートで聞いてみていただきたいです.  立命館アジア太平洋大学の日本語の講師の雇い止めはその後どうなったのか,知りたいと思っています.もうホームページに掲載があったら,すみません.

◆新しく採用する教員のみ (特に専任講師) に任期制を導入している大学があります.どうせ任期制を導入するなら,教授から助手まで,全てに導入するべきではないかと思います.導入しないのなら,どの職階にも導入するべきではないでしょう.日本のように大学教員の間に流動性のない文化で,任期制だけ導入しても大した意味はないと思います.
 現時点で仮に任期制が役立つとすれば,業績のない教員を排除することくらいではないでしょうか?新採用の若い教員をねらい打ちにするのではなく,ここ10年くらいでしかるべきジャーナルに掲載されたことのない教員を調べて任期をつけた方が,よほど流動性が高まるのでは?
 語学教員のみを任期制にしたり,語学を専門科目担当の教員に片手間的に担当させる大学もあるようです.語学教育の質を向上させようと思うのなら,このようなことではいけないと思います.語学教育を真剣に行うということは,本来片手間でできるようなものではありません.専門科目の場合と同じように,語学教育の専門知識が不可欠です.

◆現在は専任職を持っていますが,非常勤から専任になるときに,3年間,「任期制教員」という立場を経験しました.この任期制教員という立場も,将来に与える不安という意味では,非常勤職に負けず劣らずひどいものだと思っています.

◆非常勤講師の勤務形態として,3年・5年などの契約があっても良いのではないかと思います.例えば,10年も15年も同じ大学で非常勤講師を務めている場合など,契約年数によって条件の改善なども期待できれば,少しは今の状況から抜け出せるのではないかと考えます.

◆非常勤講師に対して,複数年 (3〜5年) の雇用形態を採るべき.


採用方法

◆非常勤講師の仕事 (教育) に割いている時間が最も多いのに専任への応募の際にはそのことがほとんど考慮されず,ただ論文審査のみである場合が多いのは,いかにも片手落ちのやり方.大学でまず求められるのは,研究者としての能力よりもまず教育者としての技量と見識であるだろうに,そうしたことへの配慮がほとんど見られず,ただ何十年来の習慣を漫然と踏襲しているのは,いかにも怠慢そのものと思う.
大学の専任教員募集について不思議なことがあります.それは,あらかじめ内定者がいるのに公募することです.時間をかけて用意した資料を郵送しても,結局それは無意味ということです.内定者がいるのなら,公募はやめるべきです.

◆専任教員の公募とその審査の過程について,いったいどのような基準でどのような審査が行われて採用者が決定されたのかがまったく不透明.選に漏れてもその理由等が説明されたことがなく,どこまで厳正かつ公正になされているのかがわからないので,個人を特定できる情報を伏せつつも,応募者にはその審査経過が情報公開されるようにならないものか.

◆募集案内が常勤の人しか入れないカードキー専用の部屋にあるので,見られない.

◆応募の年齢制限をやめてもらいたい.

◆半世紀ちかく前と,大学の教員採用方法はすこしも変わっていません.大学は滅亡するかも.

◆非常勤講師採用の条件において,「他大学での教育経験があること」という項目が暗黙の了解としてほとんどの大学で設定されています.また,博士課程在学中など大学院生の採用についても厳しいようです.私は幸いにして,他大学での教育経験を問わない学校からオファーを受けることができ,その後に繋げることができましたが,課程終了直後の大学院生がイチから非常勤講師を始めるということは,上記の条件からかなり難しいといわざるを得ません.たとえば在学先の大学院あるいは関連学部において学生に講義を必ず持たせるとかして,一定講義経験を課して大学側がそれを認定するとか,制度的取り組みが必要だと思います.

◆個人的な話ではありますが,小生はこれまでの非常勤生活20年以上の間に3回,後もう少しで専任職が決定というところまで行きました.どれも私の能力とは別の,ほんのちょっとしたことで職を得ることができませんでした.具体的には年齢が2つ下の者を取ることにしたとか,研究テーマが似ているので別の人にしたとか…特に語学の場合,専任にありつける者と非常勤のままの者の差は運であると実感した次第です.まあ,人生そのものがかなりの部分を運に作用されるものであるのは言うまでもないことなのですが.  ただ,この「運」にすぎないものから生じる結果はあまりに大きいと言わざるを得ません.かたや週6,7コマで1千万の給料をもらえ,かたや週20コマ近くやってもその半額ももらえるかどうか.もし仮に学問の差がはっきりとあるとか,論文本数に大きな差があるというのならともかくも (ここでは内容については問いませんが),実際はほとんど同じようなことをしてきながら,これではなかなか納得できるものではありませんまあ,結果が不平等なのは世のならい,機会さえ平等ならしかたがないではないかということも言えるのかもしれませんが…

◆非常勤講師として長年頑張って高い学生の評価を得ている者を差し置いて他からどんどん教育経験もない専任教員を引っ張ってくるのはやめてほしいです.

◆専任教員の公募に何でもかんでも博士号を要求するのはおかしいと思う.私の学位は専門職系でアメリカではTerminal Degree (最高学位) とされており,どこの大学に就職するにも問題はなかったので,博士号取得など考えたこともなかった.ところが,日本に帰ってきてみたら博士号がないとどこにも就職できないことになったと言う.博士課程のない大学で実務系の科目を教えるのに,そしてすでに専任教員になっている人たちはほとんどが博士号を所持していないのに,博士号を要求されるのは腑に落ちない.他にもっと評価すべき大事な点があるだろう!

◆専任教員採用の基準や選考過程があまりにも不透明なことに憤りを感じます.送付した論文等が全く読まれた気配もなく返却されてきたり,公募要項に記された専門分野と相当異なる分野の教員が採用されたり,業績の数が明らかに少ない者が公募に通ったところ,後で聞いたら結局強力なコネがあったとか,その他,とにかく不明朗なことが多すぎます.一般社会でもそのようなことはままあるとは言え,実態を知るとやはり不愉快です.

◆非常勤講師の公募が少なすぎる.もっと門戸を開いてほしい.

◆本務校のある非常勤教師の採用をやめるべき.

◆大学教員の採用は各大学の教授会に一任されているが,このシステムの下では既に教員になった者にとって都合の良い人間を採用する傾向になる.いかに研究レベルが低くても,たとえセクハラをしても (表面化しさえしなければ),教員仲間にとって都合が良くありさえすれば教員であり続けられる.著作のテキストがいかに稚拙であろうと,テキストが稚拙なのだから,講義内容も稚拙であると想像されるが,立派な大学の教授であり続けている例が多すぎる.既得権益に安住し続け,日本の大学の学力低下に貢献し続けているのは奇異である.
 そもそも研究の手間を惜しむ人間が大学の教員を目指すべきではないはずだが,論文にネットで検索したデータをそのまま貼り付ける等,学生でさえ慎むべき事を常勤教員がするなどは論外である.研究レベルの低すぎる常勤教員,学生の評価が低すぎる常勤教員は,優れた研究を続けている非常勤,学生の要望に応えられる非常勤に,その座を譲るべきである.
 既に発表されている論文,テキスト等に関して非常勤の立場から評価,異議を申し立てる制度を文部科学省には整備して頂きたい.

◆非常勤講師をバイトとしてみると,割のいいアルバイトには違いないと思います.ですから非常勤講師の待遇としては,それほど悪いとは考えていません.しかし,新規で非常勤講師になるために,非常勤講師以上の履歴を,たくさんの大学が要求しています.(同様に,専任講師の募集に,前職で専任職に就いたことのある人を条件にしている等も含めて) これを何とか改善できないものかと嘆いております.

◆いつもお世話になりありがとうございます.私は,○○大学を出た英文学を専攻している人間ですが,専任講師の採用に関しましては,やはり,有名国立または有名私立大学出身者で海外留学をしている者が有利なように思い,残念ながら,研究者になるという長年の夢を諦めることとしました.留学をしようにも金銭的な部分で,行けなかった人間にも,「門前払い」ではなく,人間性を見ていただきたいと痛切に思いました.しかし,それは自分勝手な考えなのでしょうね.後輩のあるいは,同じように研究者として,大学教員として自立を目指しておられる皆様方の夢が叶いますよう,心よりお祈り申し上げます.私は,来年3月末で非常勤講師を辞めることになりますが,組合の皆様が,未来の研究者を目指す方々の力強い心の支えになっておりますことを付け加えさせていただきます.本当に,ありがとうございました.

◆毎回今まで数年間,非常勤講師として同じ大学で仕事をしてきたのにも関わらず,その大学の専任の職の募集に頭数で履歴書を提出するように言われ,結局はまったく別の外部の人が専任につくということが続きました.またその大学で別の非常勤のコマがあると電話がかかってきて,こちらから数度かけなおして「お願いします」と伝えたのにも関わらず,電話がその後かからず,別の人になっていたこともあります.つくづく非常勤は軽く考えられているのだということを実感しました.

◆公開公募などといわれているが,実際は人脈,学閥人事を隠す絶好の隠れ蓑になっている場合がほとんどだと,公募面接を受けて実感した.それを黙認している担当省庁にも問題がある.しかも最近では,人事終了後,提出書類だけでなく,著書なども返却しなくなった.負担を押し付けられるところには徹底的に押し付ける,という態度そのものは,教育だの,人格形成だの,を看板に掲げる機関のやることではない.こういう態度は,その他のことに関しても,一事が万事ではないか.

◆非常勤講師勤務校で教員公募はあるが,公募が少し異なる専門分野であったり年齢制限に引っかかったりします.大学当局の事情もあるでしょうが,当該大学に非常勤で勤務している者のことを考慮している様子はうかがえません.  大学専任講師になるためには,現状では論文の数を必ず求められます.しかし非常勤講師をしておりますと,研究の機会には恵まれません.論文を投稿することも困難であり,機会均等の公募条件とはいえません.

◆国立大学が独立行政になったことにより日本の政府が高等教育に対する責任を放棄したと絶望的な思いにかられる毎日です.日本の大学のすべてに大学産業は客商売だという意識が蔓延しています.学生からはとれるだけ授業料をとり,学生が気にいる授業のみを設置する.教員はできるだけパート化し,アンケート調査を行い学生評価の悪い教師をその理由でカットする.私と同じように非常勤のコマのみで一生懸命30年以上生活してきた女性教員が先日行われた学生のアンケート調査を見て悲鳴をあげていました.「ババアにおそわる気はない」「年寄りのこごとは聞きたくない」「みっともないかっこうで授業するのはやめて欲しい」と驚くべき差別むき出しの言葉の評価で彼女のコマ数が減らされる危機にあります.大学は教育,研究機関であり,いかなる差別も許してはいけないはず,大学非常勤講師組合が毅然として文科省と交渉している姿を心より応援します.


授業評価

◆学生による授業評価を採用する大学が増えていますが,あまりに無責任な学生の態度も見えて,それに対する意見を表明する場もないのは問題だと感じます.

◆学生評価の問題として信頼性の妥当性もあげられます.評価する学生の評価能力を高めるための対策は一切していない上に,「この授業によって今後の学問に意欲を持つようになった」というような必修授業にはそもそも学生の選択の余地のないなかで教員の努力でどうにかなる問題ではないような無責任な質問を設けています.

◆学生評価は授業の質を下げています.多くの学生にとってよい教員とは,たくさん欠席しても許してくれ,遅刻や早退は不問にし,期末テストはレポートで,「オールA」をつけてくれる教員を指します.まれに「楽しい」や「興味が持てる」と書く学生も具体的に何がと問うと,授業外での個人的なおしゃべりや,体験談などをしてくれた教員がよい教員であると認識していることがわかります.全く出席しなかった学生が,教員は定刻に授業を始めなかったにチェックを入れる例は可愛いもので,最近,筆者は授業の1/3はよもやま話,1/3は遅刻をした学生への対応,残り1/3が授業というありさまですが,学期末の評価は4.8でした.

◆文科省が「学生による教員評価」を実施させていますが,我々に改善点もありますが,教員がこれを気にして「いじけ」てしまい,本来の教育が出来ず,低い学力がますます低くなり,日本の将来が心配です.(学生評価をたてに,予習せず遅刻40分でも良い点をあげなければならない.) →莫大なお金がかかるので,マイナス面の多い評価の回数を減らし,教育設備費にまわした方がよい.→日本の将来が危ない.

◆大学側は,学生の授業評価アンケートをどういうつもりで実施しているのだろうか.評価が低いことが,雇い止めの理由になるのだろうか.

◆授業評価アンケートを数年前にやらされたが,評価結果を教えてくれなかった.申し出たら,渡してくれた.授業評価をやるんだったら毎年やってほしい.

◆学生の授業評価で,常勤も雇用条件の異なる非常勤講師も同等の基準を当てはめて評価することに対して不満があります.私が出講している大学で必要な資料のコピーが無料で自由にできるところはありません.この程度のことでさえ補助もないのに,均一な基準で評価するのは問題だと思っています.

◆最近,大学での授業評価の流れを受けて,大学によっては非常勤講師にまでアンケートをとらせるようになっています.講義の向上を目指しているのならば,非常勤講師にもfaculty developmentの機会を与えるべきだと思います.そうした機会もないのに,アンケートだけとって,コメントを書けというのはあまりにも理不尽な気がします.

◆十把ひとからげのセメスター制導入 (語学にセメスター制は無意味だし,半期では消化できないテーマや科目もある),学生アンケート (一種の圧力.確かにひどい教員も一部にいるようだが,そのために授業時間がとられるのは理不尽.私自身は,アンケートが行われる以前から個人的なアンケートをしていたが,大学が行なうようになって,不本意だがやめた.少なくとも,無記名はやめるべきだ),長々しいシラバス (“人間”が相手だから人数やキャラクター,能力を知ってから,シラバスを変更することも速度を加減することもある.アンケートに「シラバス通りに授業が行われたか」とあったりするのは,現場を理解していない).

◆学生の私語が多い,ゼミの欠席が異常なほど多いなど,当初は,自分の指導不足が理由かと思っていた.しかしながら,専任の先生に聞いてみると,どの授業でも同様の状況だということで,大学としても困っているという.いろいろと対策を考えておられるようだが,非常勤講師に対して意見や感想を聞かれたことがない.多くを非常勤に頼っている大学なので,ぜひとも意見を聞いて欲しいと思う.「ちょっとおかしいな」と思うのは,学生の授業評価アンケートに「担当教員は,私語をさせないように努力しているか」という項目があることである.そんなアンケート取る前に,非常勤と常勤を同席させた意見交換会でも開いたほうがいいのではないか・・・

◆授業改善の為の研究を怠らず,努力を積み重ね,全力投球でいい授業をしても,そういったことは待遇面に全く反映されない.  また,教育効果が上がるよう,具体的かつ現実的な改善を提案しても,決定権のある常勤の教員が自分の研究成果に関係のないこと (= 学生の教育) には興味を示さず,「ことなかれ主義」を貫き,改善案には全く耳を傾けてくれないことが多い.

◆大学側は教学サービスの向上 (講義の工夫や機器の利用) などを講師側に要求してくるばかりで,それに対応した経費は支払われない.結局,講師の負担になるばかりでモチベーションは上がらず,これでは教学サービスの向上にはつながらないだろう.本当に講義をより充実させたいのであれば,大学側は給料以外に一定額の経費を認めるべきである.一律に給料に含んでしまうと,講義によって経費には差が出るので,よくないと考える.


大人数

◆受講する学生数が300人を超えても人数の場合と謝金基準が同じと言う大学,短大がほとんどだ.学生数で謝金を上乗せする制度が急務.

◆教職課程なので仕方がないのかもしれませんが,人数が200人を超えては,まともな授業はできません.50人くらいが適切だと思います.

◆最低でもレポート提出者数に応じた手当てが欲しい

◆非常勤講師の賃金の安さはお話にならないが (学生家庭教師より安い),私大の場合,学生数の多さにも悩まされる.教育系の講義で,学生数130名をあずかり,指導案のチェック,レポート添削,課題評価等,何日もかかる.1名でも100名でも賃金が同じというのは納得がいかない.
 実験,実習の授業は,助手もおらず,すべて一人でやらねばならず,講義だけの時間の2〜3倍はかかる.この場合も,1コマ○○円という同一賃金であるのはおかしい.現状は,1コマ/週で月3万円だと思うが,倍にしても決して高くはない.それに値する授業をしていると思っている.現在はボランティアと考えている.

◆受講者数に応じて,一定以上の履修者がいる場合は賃金にプラスアルファしてほしい.100人以下の講義を持つ場合と,300人以上の履修者のいる講義では,試験やレポートの採点,出席管理など,授業時間以外にかかる仕事の時間があまりに違いすぎる.  非常勤講師の経験がまだ2年程度しか無いためかもしれないが,講義時間のみの勤務で,大学スタッフともつながりが薄い中,授業運営の方法や困ったときの対処法などについて,学んだり相談する場がないと感じる.私は専門科目の非常勤なので,ふだん他の非常勤の先生と話す機会もない.今まで平均200名くらい (多くて300名ちょっと) の履修者のいる講義ばかり担当してきたが,学習意欲や基礎学力が低い学生も多数混じっている履修者相手に行なう専門知識の講義は,授業運営の手法も特殊技能だと思う.しかし,大学教育は特に教員資格が必要ないので,いきなり教育のシロウトが教壇に立つことになるし,非常勤講師は大学とのつながりも薄いので,困難な状況に陥る可能性が専任よりも高いと思う.研究業績の量と,教授能力・センスの高い低いは別の問題なので,大学教育の質を上げるためにも,大学教育の方法や諸問題への対処法について学ぶ場があればと思う.

◆多くが非常勤に廻される大教室授業で,何百人という学生の採点を1週間足らずで厳格に要求されるため,何日も徹夜が続く.ある程度の規模で,クラス分けしてもらうか,試験採点1枚あたりの手当でも無いと,少人数授業と比べて不公平であると感じる.

◆大人数のクラスのライティングを担当させられると添削だけでも相当な授業時間外時間を取られてしまうため,割りに合わない.

◆研究機関を定年退職し非常勤講師をしています.担当科目は一般教養的扱いとされ,工学部の全学科,全学年の学生を対象となっています.このため,履修を制限しても,1コマ当たり約200名の学生が履修するマスプロ授業となります.講義は講演会の様となり,学生の気分や授業に対する意見などへ配慮できる状態にはありません.これが,正常なのか異常なのか知りたいと思います.


カリキュラム・補講

◆多くの私立大学では,1回でも休講にすれば補講は義務で,しかも補講日が非常に少ないため,4,5日程度の学会でも全期間の参加は今や不可能である.もう少し制限を緩め,研究遂行のための1,2回の休講は,補講なしで認めてほしいと思う.
 何も制限をつけなければ,全員が補講なしの休講をしてしまう,という恐れもあるが,それならば例えば「2 回までの休講は補講なしで認め,補講をしない場合はその分の給与を支給しない」といった形の制限をつければ,なし崩し的に休講が増えることは防げるのではないか.

◆前後期一貫授業から前後期独立した授業に変換されたことは年間を通じた授業計画が立てられず不満.

◆特殊講義を受けもっているが出席をとるべきなのかどうか学校側の方針がはっきりせず出席をとるための便宜 (例えば出席簿の配布) も図られていないので,原則をはっきりしてほしい.

◆日本の大学が衰退するとすれば,語学教育の誤った進路からであろう.「おしゃべりごっこ」中心では,語学教育の成果は知れている.そういう現実を語学担当の特に専任教員は直視しない.

◆カリキュラムの編成,決定に際して,非常勤講師の要望を優先すべき.

◆大学が経費節減のために勝手にカリキュラムをかえて非常勤のコマを削減するのは問題だ.

◆第二外国語非常勤講師は,教養教育軽視,実用英語 (いったいこれが何かよく分からないが) 教育への一方的転換といったカリキュラム改訂により,リストラの波に直面しています.○○大学○○学部では2007年度から初修外国語 (第二外国語) の必修をほとんど無くすことになっていますが,こうした動きが他大学に波及することは必至でしょう.暗澹たる気分です.


研究

◆私も年齢は40を超えており,専任教員への道は次第に遠のいているようです.地方で非常勤をしていると,研究を続けるハンディは相当なものです.研究会や学会のほとんどは,東京や大阪などの大都市圏に限られ,生活のほうを優先するあまり,ここ数年はこうした会に出席できずにいます.なるべく研究費のかからないテーマを研究課題にしたいところですが,やはり必要な図書の購入や資料代は自腹で支払うことも多く,研究の停滞は避けられそうにありません.私は社会科学が専門領域ですが,生活費を稼ぐため語学を中心に教えています.努力した分だけ報われる世界とは違うのはこの業界かもしれませんが,(大学の) 教員採用において買い手市場が優位の状況は今後ずっと続くと思われるので,運がすべてを決定するようで毎回の公募書類提出が虚しいです.まだまだ言いたいことは山ほどありますが,こうした状況が世間で十二分に認識される日が来ることを切に祈るばかりです.

◆研究費のある人と同等の研究活動を要求される.(学生と同じように思われているのか?) (少ない収入から学会旅費など自分で支払っている.)

◆科研費申請の際,どこかの研究機関などの研究者リストに載っていることが条件となっています.非常勤職ではリストに載せてもらえない大学もあり,申請できない場合も発生します.自分の場合は研究者番号を持っていて,非常勤先でリストに載せてもらえたので申請できたが,このような状況では,申請できるといっても,できないに等しいと思います.制度があるといってもこのような状況では?

◆学会等 (海外も含め) に出張しても一切出張費が出ない.韓国・中国・欧州にも出張するがもう困難 (費用が不足なので).今年は沖縄で学会があったが,10万円近くかかった.貯金を下ろすしかない.

◆科研の,せめてメンバーとしては,認めていただきたい.

◆「研究者兼教員」として処遇して頂けるとありがたいな〜と願っております.

◆研究したいが,場所がない.場所を提供してもらうのに,高い学費 (研究生) を払うという悪循環である.

◆本務校のない教員に関しては,研究環境の提供も整備して欲しいと思います.

◆数校を掛け持ちしているような場合,補講を考えると学会などの出席が難しくなります.年に2日でも有給休暇が取得できるようになれば,地方で開催される学会などにも参加し易くなると思います (研究の保障).

◆非常勤としての勤務には研究者としての研究費などが出ないため,学会等のために旅費がかかる場合や,副教材を使用するときの費用の負担などがとても大きい.少なくとも今まで勤めた大学では研究関係の経費は一切支払われていない.

◆授業のための研究費は,どう考えても必要ではないでしょうか.いい授業をしても,何の評価の対象にもならないというのも,やる気がそがれることだと思います.

◆かなり孤独な環境です.友人達が専任になってゆくと生活や研究体制が異なってきて,「仲間はずれ」になりやすくなってゆきました.学会という組織では非常勤は一人前として扱われませんから,活動の場がひろがってゆきにくくなります.科研費によるチームでの研究には「好意で」入れてもらうことになります.研究それ自体で勝負!と思い定めてはいますが,一人前の研究者として扱われないことの精神的ストレスは否定できません.精神的エネルギーの無駄使いをしているなあと感じるようなことはしばしばあります.

◆時間的余裕と精神的な安定がなく,常に不安な状態に置かれているので,研究に集中することができません.

◆コピー機を私用に使わせないことに大学はやっきになっているが,私用といっても研究目的なので大学は自由に使わせるべき.


科研費
今年,科研費を申請できるかどうか○○大と△△大に問い合わせたが,双方とも,「教育職として非常勤を頼んでいるのであって,研究職ではないので科研費の申請は本校ではできない」と,全く同じ回答をされた.
 また,他の先生の申請された科研費のメンバーにいれてもらう時も,「本校では研究者番号は出せないので,本校の一員のようにして申請してもらっては困る」と言われた.結果的に研究者番号がなくても,文科省の審査は通り,無事科研費のグループの一員としては助成をもらう事ができた.  ただ,自分達で申請するのは不可能な状況である.また○○大の専任が申請した科研費には○○大の非常勤はメンバーに入れてもらえないという事になる.今回は他の大学の専任の教授が申請したので,その大学は非常勤でもメンバーに加えてくれたため,たまたまメンバーになれた次第である.

◆今年から,非常勤でも科研に応募できるようになったのはとてもありがたい.科研が,常勤でも非常勤でも採用に関係ないならば,もしかしたら,常勤よりも研究するという状況としては非常勤の方が恵まれているかもしれない.(会議や入試関係業務などに携わらなくて良いので)

◆非常勤講師でも科研費出願できるとは知りませんでした.以前学振の立場で科研費出願資格を持っていた時は,専任教員しか出願資格がないと書類で読んだ記憶もありますし,そう聞いたこともありましたので.でも,たとえ出願資格があっても,「クロもシロ,シロもクロ」の日本社会ですから,最初から厳正に審査したりなんてせず,非常勤講師の出願書類なんかまっすぐゴミ箱行きという気もしますが.

◆非常勤講師が科研費出願できるようになったといいますが,大学側は専任の会計管理だけでも手一杯なので,内規を設けて出願させないこととし,加えてこれまでは分担者の位置づけだったものも協力者にしてしまいました.私にとっては事実上の改悪です.奨励研究の出願を薦めるのは,非常勤講師を研究者とは看做さないという見解でしょうか.優秀な専任を育てるためにも大学院の専門教育は一定の質量を維持することが必要だと思います.様々な分野で外注化が進んでいますが,そうして育った専任は研究者,専任になれない者は教育者,と分けたいということでしょうか?学生にとっては同じように研究者だと思います.
科研費請求ができないのも不満だ.大学自身も科研費の取れる講師 (たとえ非常勤でも) は願ったりかなったりだろうに.だが,学振の応募要綱をよく見ると,大学側が金銭の管理をしなければならないようになっていたりするので,時々見られる不正のリスクを負いたくないということなのだろう.結局,常勤,もしくは旧帝大系を中心にした大学院学生に配分するように仕向けられた巧妙なトリックなのだということが分かる.

◆つい先日,出身大学の科研のメンバーに入れていただけるということで,非常勤講師をしている大学に研究者番号を申請していただけないかと頼んだ所,「前例がない」「本校での貴方の立場は研究講師ではなく教員なので申請できない」「他大学との足並みを揃えたい」等の理由で全ての大学から断られ,科研に参加させてももらえませんでした.「貴方は研究者ではない」と烙印を押されたようでかなり落ちこみました.制度は作るが活用するかどうかには関与しないという文部科学省の研究者番号制度に対しての姿勢は,かなり問題を含んでいると思います.

◆ある大学で,2005 年 7月に科研費研究者登録の応募があり,登録した (われわれも申請できることを知らされたのは今年度 (2005年度) が初めて).しかし,「後期の授業担当がなければ科研費申請はできない」という担当部署の決定が下り,この大学からは申請できないことになった.
 それで,急遽勤務する私立大学の1つに所属を移し (9月下旬),研究分担者の形で申請することになった.しかし,文科省側の手続き日程の関係で,結局間に合わず,研究分担者にもなれなくなってしまった.そのこと自体は仕方がないとしても,その私立大学の対応は非常に悪い.こちらはかなり丁重にお願いしたし,出張の日程まで連絡して「何か状況の変化がありましたらご連絡を」とお願いしていたが,結局手続きが間に合わなかったことを教えてくれず,11月になって研究代表者である先輩研究者からの連絡で,承諾書 (分担者になることの) に大学の印鑑をもらいに行った時になって初めて「先生のお名前はうちの名簿にありません」と言われた.理由は上述の通り,日程的にどうしても無理だったということなのだが,よく調べてみるとそれは10月上旬にわかっていたことだった.もっと早く知らせてくれれば,研究代表者に迷惑を掛けることもなかったはずだ.その研究代表者の方は「君が非常勤だから事務も面倒に思ったのだろう」とおっしゃったが,専任と比べて軽く扱われている,ということを,非常に不愉快に感じた.
 また,たとえ文科省が制度を準備しても,われわれは末端の大学の都合に翻弄されるのが実態だ,ということでもある.こちらが大学で教育を行ない,研究もしている事実に変わりはないのに,である.

◆税務署では源泉徴収表で給与の申告をすることになるので研究のための出費,交通費の持ち出し分などは認められない.


若手非常勤

◆特に若手には最近非常勤の口すらなく,コマ数も少ないです.50歳代の方たちは20コマ近くもっている場合もよく耳にしますが,30歳代では数コマといったところです.非常勤はますます困難な立場におかれていくと思います.非常勤で生計を立てるのは困難です.また半期15回,1年で30回きっかり授業をせねばならず休講はできません.15回30回を確保するために,別の曜日に出勤することもあります.

◆これから大学教員になろうとする若い人たちは,前途真っ暗です.是非,ほかの仕事を見つけられることを希望します.大学に入ってくる学生もますます,学力低下のために,やる気もなく,講義にならないことになります.教員は絶望するにちがいありません.

◆本来なら非常勤講師は専任への経過点に過ぎないはずだったが,今では専任への道はほんとうに険しい.そして数少ない専任の採用も非常に不透明で,分かりにくい.周りに生涯非常勤としてすごしてきた年配の日本人非常勤講師たちを見ると,自分の将来に対してもとても不安になります.それでもよい教師,よい研究者を目指して日々頑張っていくつもりです.

◆大学での非常勤講師は今年が初めてでした.今回のアンケートで,科研費が申請できるなど,知らないことがいくらもあるのに驚きました.雇用の際には,まずは非常勤のコマをもらうことに必死で,条件などを十分に考える余地はなかったのだと思います.これからは,もっと注意したいと思います.

◆私自身は非常勤の仕事には比較的恵まれていると思いますが,近年は非常勤講師にも教歴を求めるケース (教歴がある人でないとダメ) が多く見られます.そういった「慣行」がどこの大学でも横行するようになると,最初の教歴をどこで得ることができるのか,甚だ疑問に思います.現実には,多くの仕事を抱え込んでいる人と,いつまでたっても最初の教歴を得ることのできない人との分化が進んでいるように思われます.
 大学には,学生を育てるだけではなく,大学教員を育成する責務もあると考えます.しかしながら,教授会の審査のうえで無難な人を,ということで経験がないことを理由に雇用しないというのでは,あまりにも無責任であるといわざるを得ません.次代の教員を育むという点からも,非常勤教員の雇用 (採用) のあり方が見直されてしかるべきと考えます.
 私自身は,専門領域との関係から,フリーターやニートの問題について論じることもあるのですが,大学そのものが非常勤講師に大きく依存している現状を鑑みれば,とうてい企業社会のみを批判する気持ちにはなれません.常勤講師を削減し,非常勤講師の割合が高い大学については,文科省による助成金の配分の削減といった見直しが行われてしかるべきでしょう.


ワークシェアリング

◆専任教員とのワークシェアリングを検討する余地があるように思います.時給換算で同一価値労働同一賃金に基づき,いくつか専任スタッフ組合にも提起できることはあるような気がしますが.むずかしそうですが.

◆専任教員の先生方とお話すると,最近みなさん「学内の用事で忙しい,忙しい.研究の暇がない」とおっしゃいます.そうした時,いつも私は「その一方で非常勤のほうは,賃金が安くて研究のための金がない (or金を稼ごうとすれば研究の暇がない) という状況があるのだから,ワークシェアリングをすれば,専任にとっても今の非常勤にとっても良いのでは?」と思います.
 実際,思わずある時「大学にもワークシェアリングが必要ですね」と言ったら,専任の方も「そうなのよ!」とおっしゃいました.こうした発想が必要だと思います.


地方大学・国立大学

◆私は地方に住んでいる専業非常勤講師です.組合員のほとんどが首都圏,京阪神地区の方々と比べ,地方の現状はほとんど知られていないし,認識もされていません.ただ,私の感じている非常勤講師の抱える問題と大都市圏の皆様との問題にはそれ程の相違はないと思われます.

◆ここ最近の国立大学の教務課等の職員や施設,および専任教員の姿勢には疑問を持つことが多くあります.特に法人化後はその傾向は著しく,ある大学では,非常勤教員の講師室が統廃合され,多いときには30人の教員が出入りするにもかかわらず,いすが6コ,テーブルが1つ,コピー機,印刷機なし,オーディオ機器の手配は別の建物まで取りに行くといった具合です.そのため,お昼を食べようにも立って食する,コピー機を借りに上の階までかけあがる,教室にはカセットデッキはおろか,CDもビデオもないのに語学の授業を割りふられます.専任教員は優先的に教室を使っていて,また設備等も自由に使用しています.  私立大学では,私学補助金アップを受けて賃金もあがり,パソコンやオーディオ機器の手配も専任職員がしてくれます.

◆国立大学の専任教員の中には,「自分が定年退職するまでは,非常勤の給料カットでまかなってくれ,その後はどうなってもいい」と言った教授もいます.教育の質を向上するとか,大学の競争力を高めるといった目標に向かって努力しているのはむしろ非常勤で,専任教員は自らの行く末だけに専心しているよう感じられます.

◆私立大学では懇親会やemailアドレス公開で,専任教員に対する要望や質問が随時出来るのに対し,私の勤める国立大学では一切そうした機会は与えられません.その上,年末に学生授業評価を行い,一非常勤講師には責任のない項目まで学生に評価させます.そもそも,非常勤講師には大学,学部,学科のカリキュラムやシラバス,評価方針など何の連絡もないまま,個人任せに決めさせておいて最後に一律に学生に評価させるというのは非常勤教員の職務義務を超えているのではないかと思います.出席率や遅刻,授業中の私語,レポートの学事課の受け取り,機材の手配,一切対応をしていないにもかかわらず,大学の取り組みとして,学生評価を導入して大学の努力として公開するのはおかしいと思います.単科大学という地位に安寧して,他大学の取り入れた独創的な企画を自分 (専任職員) の都合のよい風に取り入れているように感じられます.

◆国立大学法人になってから非常勤控室に,就業規則等のファイルがずさんにおかれてあって勝手に見てくださいという感じである.

◆大学を取り巻く,とくに経済的な状況が厳しくなり,ある国立大学法人 (現在勤めているところです) では非常勤のコマ数半減という至上命令が下り,実際に半減されました.私の科目は常勤教官の代替は不可能なのでそのまま消滅します.常勤教官の代替が可能な科目は,その人たちの負担が増えることになるのでしょう.余裕のある人たちの余裕がなくなりつつある今,非常勤の状況が改善されることはあまり望めないのではないでしょうか.


紀要

◆大学の紀要に論文を書かせてもらいたいが無理のようだ.大学により対応差があるようだが大学はそもそもこちらから聞かなければ検討してくれない.書けるかどうか大学側から明示してほしい.


大学経営・運営,文科省

◆専任の大学教員の職に就いている者以外を非常勤講師として雇うべきではない.収入も将来も保障されていない若手を非常勤講師として雇うのは大学の都合 (安くあげる) のみで本当にひどい.

◆人件費節約のため非常勤に依存することは誤りです.教育は寺子屋時代から経営とは縁の遠い仕事として位置づけてきました.この有用な仕事を文化向上のために支援し保証することが国策であったはずです.今,企業経営論理で整頓しようとする為政者は,その前提を忘れ,あるいは気づかない無能者です.即時,首をすげかえる必要があります.金持ちの文化でなく庶民の文化を育てるためには多額の保障金を積むことを約束させましょう.発展途上国では教育にかなりの支出 (相対的) をしているのです.

◆語学教育,コンピュータ教育,簿記会計などの教育を大学当局が,街の英会話学校,コンピュータ学校,簿記会計学校などへ「丸投げ」の形で委託される風潮に対しては,大学教育の「自殺」行為のような気がしまして,当惑さえ感じております.

◆学生の教養が低下しているのは明白なのに教養科目が削減されてゆき,大規模授業が多くなっていく.つまり,学長と専任が,文科省に対して,大学人としての役割を毅然として果たしていない,ということだ.全大学が結束して文科省に「やり方がまちがっている」と言うべきだ.

◆語学 (言語と文化) の従前の演習形式での単位 (必須) 数をどんどん減少させ,雇い止めをする方策とするカリキュラム改悪がはびこっている.

◆○○大では,習形式を4単位とし,日本語使用での講義4単位として語学の授業を充実させていると公表しているのは,世間の語学の認識とズレているのではないでしょうか?

◆文部省の一貫性がなく,見通しもない大学院拡充政策により,この10年強で日本の大学院生数は2倍以上に増えた.
 常勤職につくためには個々人の研究力量等の問題もあるが,院生数が増す一方で,大学は独法化され,一部の大学や研究分野を除けば大学全体として予算などが削られ,採用が増えないことによる需給ギャップにあることは明らかである.
 根本的には日本の文部科学行政を転換しなければ,日本の学術・科学及び人材育成の将来は明るくない.

◆アンケートで非常勤教員の不満をぶちまけましたが,大学側もおかしいです.私立大学の場合,毎年,7人くらい修士課程に,3人くらい博士課程に合格させますが,専任になれるのは,博士課程修了者です.大学に大学院修了者のための,就職斡旋部などないのです.企業ではないから,大学に金がないのです.大学院に入ろうとする受験生に,修了しても職の見通しは全然ないと,知らせておかないといけないのです.

◆少子化と同じように,大学院生にならない運動,大学教員にならない運動をしたらどうでしょう.専任を一人食べさせるのに,非常勤教員4人で賄っています.財政的にそうです.本来,大学は非常勤教員がいなければ,成り立たないことを理事,学長は今一度,銘記すべきです.非常勤教員様さまなのです.

◆一回でも授業に出たら「単位を出して…」,登録したら「単位を出して…」的「お願い」がふえているような気がする.

◆無理難題の押し付けは毎度のこと.「ご意見を…」というので意見を言えば<反対意見>的に解されると,翌年突然のコマ数減.

◆以前からずっと気にかかっている問題なのですが,学部専門科目は本務校のある教員のみに限るとして非常勤を雇うことを排除しつづける大学 (学部) がいくらかあるようです.知っているだけでも,国立大法学部はたいていそうですし,有名私大はもちろん,二・三流私大 (たとえば○大法学部,失礼) でもそういった話を聞くことがあり,我々の職場がこのことによって狭められています.しかしそれらの学部では働けないわけですので,団交もできません.いったいどこに不満を訴えて,専業非常勤にも門戸を広げてもらうことができるのか…どうすればいいのでしょうか?文学部系の情報は入ってこないのですが,同じようなことがあるのでは.

◆賃金があまりに安すぎる.常勤のコマ数と同じ位でも賃金が半分以下というのはさすがにどうかと思う.このところ非常勤がやたらに多くなって,常勤を削減していることがよくわかる.文部科学省の基準が甘くなったのかと思うが,正社員が少数であとはバイトばかりのマクドナルド化が大学にも入っているように思う.企業の正社員と派遣の関係と同じですね.(賃金格差は大学のほうが大きいけど)

◆文部科学省,各大学は,非常勤講師の雇用の安定が教育内容の向上につながることを認識するとともに,非常勤講師の権利を尊重すべきである.また,語学に関しては,大学の都合にあわせて,「辞めてもらいやすい」ネイティブ講師を多用する傾向があるが,雇うなら責任をもってその権利を保障しつつ (ビザのことなど) 人選と雇用を慎重に行なうべきである.そうでなければ,邦人講師の職域が減り,邦人,ネイティブどちらの側にとっても不利益である.

◆基本的には文部科学省=自民党政府の無能ぶりにある.大学にカネ・人を使わなさすぎる.総定員をおさえるとともに,補助金を出ししぶり,そのために専任教員の持つコマ数が増え (中にはワード,エクセル,パワーポイントの使い方を学ぶクラスもある.専修学校じゃないっつーの!!),非常勤が切られる.またつまらん雑用も多くなる.これらを改めないかぎり,「科学技術立国」などはあり得ない.

◆非常勤の低賃金,労働条件のひ弱さから,非常勤雇用のメリットがあるという風潮は払拭しなければならない.

◆大学は本当に日本の高等教育のことを責任をもって考えているのだろうか.非常勤講師の生活を保障することなく,しかも研究費などいっさい支払わず,研究は自助努力に任せるとは大学は自らの社会的な責任をまったく放棄しているとしかいえない.これでは近年増加してきているパート,アルバイト,派遣社員,請負社員を雇って経営を成り立たせている安上がりの企業経営の先取りをしていると言われてもおかしくない.
 その意味では,大学教育の相当部分を担当している非常勤講師の労働条件を改善することは,日本の経営のあり方を改善するための先駆になるといえるかもしれない.共に頑張りましょう.

◆私は,専任教員ですが,毎年,この時期 (晩秋) になると,次年度の非常勤講師任用計画を学部に提出しなければいけません.この3年間は,非常勤予算が毎年15%削減されているため,当学科においては,カリキュラムを維持するために,隔年開講等の措置をとりながら,非常勤対応をしています.このような状況が続くと,専任教員で可能なカリキュラムに作り替えざるをえなくなるような気がしています.つまり,中身の薄い教育しかできない大学になりうる,そんな大学ばかりが増えていくのでないか….そんな危惧をしています.高等教育機関というのは,遠い昔の産物になってしまうのでないでしょうか?何とも,お恥ずかしい限りです.他大学においても,そのような情況なのでしょうか?尋ねてみたいです.

◆大学の財政危機を理由に専任教員の賃金がカットされる場合に,さもあたり前であるかのように非常勤講師の賃金まで一緒に下げるのは,あらかじめ存在している待遇の差を考えれば,あまりにも不当である.百歩譲って,そのような事態をどうしても避けることができなかったというのであれば,専任教員の先生方には,せめてそれなりの配慮がほしい.

◆常勤でも,私学の場合,学科運営の会議もなにもなく,密室で決まるところが多いのでは? 私学の世襲理事職も,公益法人であるにもかかわらず,実質的な相続税逃れに使われており,完全株式会社化,ないし,理事会の絶対公募制など,大学の運営組織そのものをオープンにしないと,非常勤いじめはなくならないのでは? つまり,特権的世襲理事の対極に被差別者としての非常勤講師がある.事実,世襲大学ほど,横暴な非常勤運営がまかり通っているように感じるのだか.

◆非常勤講師の数を減らして経費を削減しようとする安易なやり方に辟易する.文部科学省の官僚の改革が先である.

◆ある大学で,非常勤として勤務し始めて数年経ったとき,文科省に出す必要があるとのことで,大学側が用意した書式に,履歴やら研究業績やら (その要約) と詳細にわたる書類を無償で作成したことがあります.いきさつは,私の教えていた選択科目の英語のクラスに登録している学生の1,2名,その所属学科で教員養成課程を設置するので,という流れであったと思います.次年度,その選択科目の英語のクラスを教えた記憶はありません.その翌年,新学科を設立ということになったと伝え聞いています.新学科設立にあたり,ぼくを含め非常勤の人は (その多くは?) 解雇されました.事前の通告は一切ありません.解雇するという文書もありませんでした.要するに,「来年度の担当授業の問い合わせ」の類の例年であれば送られてくる文書を,意図的に大学側が送付しないことで,契約更新を自然消滅的にもっていったことと推察します.
 ところで,質問ですが,新設学科を立ち上げる際に大学側が文科省にだした書類は「情報公開」されているのでしょうか?この大学,とても胡散臭いので,とても知りたいところです.

◆非常勤講師の待遇の劣悪さもさることながら,大学の授業料の高騰ぶりには強い不安を覚える.国立大学にして,年間50万以上の費用が学生やその親の負担となる.「勝ち組」家庭の子供しか大学教育を受けられなくなっている.教育は,財政上「聖域」であるべきだろう.国がもっと教育にお金を使い,教育上の機会均等を実現すべく,努力を重ねるべきだ.そうした機会均等が実現した上での自由「競争」なら致し方ないと思うのだが.

◆世間では,大学の問題と言えば,「少子化」のことばかり論じられているが,それはかなり前から予想できたことである.根本的に問題なのは,大学の授業を支えている非常勤講師の労働状況である.このような雇用のしくみは,もはや時代の流れに合ったものではなく,他の教育機関 (小・中・高) と比較して,より公平で,研究や教育に熱心な先生方を速やかに採用する制度を構築すべきである.それにしても,大学の教育を考える時,文部科学省などの省庁の無関心と怠慢は許しがたい.

◆大学には非常勤講師が利用できる教材購入予算があるが,一教授が窓口になるのではなく,事務局が窓口になり,気を使わずに利用させてもらえるように改善してほしい.

◆大学の運営の現状について,何ら説明も無く,こちらから発言する機会も与えられていない.単に労働力の提供だけが期待されている.しかし,社会的には,大学の構成員の一人とみなされている.その間のギャップが大きい.

◆高等教育機関の使命・役割とは何なのか,何でも効率優先で基礎研究がどのように成り立つのか,国策としてこの国の教養育成のプランを問い糺したいと思う.日本という国は教育,特に大学教育においては,非常勤講師の多さを見ても,いかに軽んじ,ないがしろにしているかが明らかである.すべて経済効率優先.
 大学という高等教育機関において,非常勤は研究者・教育者として専任と同等の能力を持ち,同等の仕事を要求されているにもかかわらず,そのような待遇を受けていない.専任教員の何分の一の給与で,自腹を切って研究し,国の高等教育を支えている.最低限の給与で,生活するために,何コマも掛け持ちし,最大限働かされ,命を削らされている.コマがなくなって,やめさせられるときも一銭の退職金もでない.
 正社員を極力少なくし,パート労働者としてやとい,パート賃金しか払わないという,現在日本社会のどこにも見られる現象が,大学においても起こっているということ.日本の深刻な基本的人権問題,労働問題であると思う.

◆規制緩和の影響か企業立大学が出現し,「専任」といえども業務委託・月額5万円もアリの時代になった現状において,専任という地位が理想と言えるかどうかも分からない.  そもそも高等教育は,効率優先で生き残れる業界ではない.しかしこのような現状をみれば,個人研究者の地道な努力を,効率の名の下に不当な方法で消費する大学運営の今日において,もはや優秀・やる気のある研究者が育つ余地がないのではないか.
 カネにならない研究は推進しないのであれば,特に文系・非常勤研究者の職場はどこにもない.高等教育機関の使命・役割とは何なのか,何でも効率優先で基礎研究がどのように成り立つのか,国策としてこの国の教養育成のプランを問い糺したいと思う.
 これほど不当な職場の現状が黙認されているのは,研究者自身の能力ややる気を超えた問題ではないかと考える.

◆現在,専任教員として勤めている私立大学で,定員割がはげしい学部・学科の教員のみ,研究費を削る,他大学への非常勤講師として出講することを禁止される,ということが経営側からの指示でおこなわれている.これは雇い入れる非常勤講師の数を減らすための措置で,すべて常勤教員で代替するように過重な労働強化と教育内容の低下をともないつつ強制されつつある.非常勤講師の先生がたの待遇も悪化しているが,それは専任教員の待遇悪化と無関係ではなく,大学経営悪化とともに大学教育や教員の労働環境,学生の学びの環境がどうなっていくのか,暗澹とした思いでいる.

◆専任教員に採用される可能性が非常に厳しい状況下で,各大学の努力ももちろんですが,やはり,国が,本務を持たない非常勤講師に何らかの公的な資格を与え,最低限の経済的な援助をするべきではないでしょうか.もちろん,非常勤講師のほうも,教育の質の向上や研究業績を積み上げる努力を怠ってはいけませんが.非常勤講師を研究者として一段低く見る偏見を改め,日本の高等教育に大きく貢献している存在として正当に位置付けてほしいと思います.


このアンケートについて

◆健康状態についてのアンケートの質問がほしい.

◆集計結果はどのように発表されるのですか.

◆この種のアンケートは具体的にどのように使われるのか?報告書としてどこへ提出されるのか?効果のある使い方が期待できるのだろうか?一歩一歩の活動ではあると思うが.

◆アンケート等,組合活動ご苦労様です.この組織の存在を知り救われた気持ちになりました.ありがとう.

◆非常勤講師組合の存在とこうしたアンケート調査の実施されることが大きな励ましになっている.(私は組合員ではないが)

◆このようなアンケート作成,集計等大変お疲れさまです.今回はじめて参加しまして,非常勤問題が正面から取り扱われていることに勇気づけられました.

◆アンケート作成,集計などおつかれ様です.意見を集約して,状況改善に役立てていけると良いです.

◆「[3.7] 授業・試験の前後に使う時間」が大ざっぱすぎます.1年の語学の授業準備にはそれほど時間はかかりませんが,演習や講義の準備は,春休み,夏休みも含めて,時に厖大な時間が必要です.試験やレポートの採点時間は,履修者の数によって大きく異なります.もう少し正確に記入できるようにして下さい.

◆組合のみなさま,ほんとうにご苦労さまです.アンケート実施はたいへん意義のあることだと思います.

◆設問の意味が不明なところが若干ありました.

◆アンケートご苦労様です.

◆講師控室のメールボックスに入っていたアンケート用紙は英語表記でした.なぜ日本人向けの用紙まで英語なのか,組合は英語帝国主義に毒されているのか,と控え室で話題になりました.

◆今回のような非常勤講師の労働についてのアンケートははじめて経験した (知った) が,このようなアンケートによって非常勤講師の労働実態を明らかにすることはとても大事なことだと感じている.非常勤講師の労働条件の改善のために,貴組合の活動にたいへん期待している.

◆「[6.4] (J) 専任教員の態度が悪い」ですが,教員よりも一部の職員の態度に問題があるように感じています.

◆「[5.3] 大学専任教員になることを希望しますか」の問には,もう少し若ければ「はい」と答えたと思いますが,今さらという気持ちです.

◆この調査を通して大学非常勤講師の待遇改善,そして非常勤に依存している日本の貧困な大学教育システムが少しでも改善されることを望みます.

◆このようなアンケートをすることは,よいことだと思う.

◆上記アンケートのうち,健康保険については,旧の職場のOBのための健保に入っている.そういう選択肢が無いので,国民健康保険にした.選択肢を公的保険とでもすべきではないか.

◆私のメールボックスには,最初,このアンケートが入れられていませんでした.私は,視覚に障害があるので,アンケートがあることすら,知りませんでしたが,周りの先生方のメールボックスに入っているのを家内が見つけて,おかしいなと思っていました.なぜ,このようなことが起こったのかが,疑問です.

◆問に対する補足です.問3.7.1「授業の準備時間」は継続科目の場合で,新しく担当する科目であれば1回あたり,5〜6時間以上の準備をしています.

◆「[6.2]出講回数で賃金が支払われる場合に,年次有給休暇の制度がある大学もあるということを知っていますか」については,獨協大学ほかの場合,1コマあたり年間いくらという支払いで,たとえば試験を実施してもしなくても同額だし,1コマくらい休んでも補講が強制されないので,「有給休暇」と言えるかもしれません.

◆お忙しい中,ご活動ご苦労様です.私の不満は,アンケートに出尽くしています.私の気持ちを上手く言葉で表わして下さっています.色々読ませていただきましたが,ここに書いてある殆どの事を自分も経験しています.


組合について

◆(非常勤) 講師組合の「組合」論を根本的に問い直す必要性.とりわけ,多様な意見,考え方の共約不可能性から,攻撃に対する受身の姿勢 (トラブル対処機関に成り下がっている) をどう反転させていくか.この再構築が求められていると思われる.又,そこから極めていい加減な専任 (組合) の大学経営観,運営観等を問い返すべき.その結果,閉鎖的組織を打破していくべき.非常勤の「力」の自覚的結集を!

◆組合の中心スタッフの方々に心から感謝とお礼を申し上げます.自分自身もコミットしなくてはと思いつつ,独居の老母と市民活動にエネルギーをさかねばならない事情もあり,本当に,組合の存在に心強く励まされる思いです.

◆実態調査ありがとうございます.差別待遇改善のために頑張って下さい.応援しています.

◆がんばって下さい.

◆状況がこのまま改善しない場合は,全国の非常勤教員が合同で同時に大学に対してストライキを行うなどできないものか.

◆平素から非常勤講師労働条件等につきご尽力ありがとうございます.今後もよろしくお願いします.

◆非常勤講師の労働条件改善のために,労働組合の活動が強く活発になるように期待します.

◆仕事のほかにこのような活動をされている方々には頭が下がります.よろしくお願いいたします.

◆組合があることを初めて知りました.今後,活動が活性化し成員間での交流が図れると良いですね.特に育児と仕事を両立させている先輩の話を伺ってみたいです.

◆わたしは会社を退職後,年金を支給されつつ第二の人生としてやってきたので問題は深刻ではなかったが,若い人々が非常勤講師だけで生活してゆくのは本当に大変です.わたしはもうそろそろやめますからいいのですが,何とか組合として団結して今後大学に対してもっと有利な条件を要求できそれを引き出していけるように考えていってほしいと思います.大いにがんばって下さい.

◆この非常勤講師組合報が配られ始めた某私立大学では待遇が目に見えてよくなりました (講師給の均一化と実質的up).大学側は講師が動き出すのが恐いのだという印象を受けました.

◆講師給アップは勿論だが,給料,保険,研究費もさることながら,やはり,安定した担当コマ維持で雇用確保を重点に組合は取り込むことを望みます.

◆○○大でかなり減コマになっている.団交をしてもらえないでしょうか.(編注:組合の相談窓口にご相談ください)

◆九州あたりでも非常勤講師組合を作って,不当な条件から自分を守ること,何かを相談する時,窓口になるところがあれば,と願っている.

◆非常勤講師組合は残念ながらめぼしい (実質的) 効果をあげていない (賃金面でも,雇い止めでも,コマ数削減でも).理事側から財政事情が賃上げを許さないと言われれば,それに反論するだけの材料がこちら側にない.毎年せいぜい一コマ200円〜300円の賃上げを獲得する程度だ.これでは組合員も増えてゆかない.今後理事がわに圧力をかける思い切った戦略を考え出す必要がある.各大学の専任と非常勤の比率や賃金格差のマスコミへの公表とか,専任の組合への非常勤組合の加入などである.受験生への働きかけも重要な手段だと思われる.

◆今後は大学の倒産・経営悪化に伴い非常勤講師のコマが減ったり非常勤だけになる人が多く出てくる (かく言う私もその一人).それなりの対策を組合としてたてるべき.

◆組合活動いつもごくろうさまです.配布される通信,興味深く読んでいます.

◆日本全体で,「非常勤講師組合」を中心に,私立大学等に対して,善処を求める運動を起こすべきである.

◆組合幹部の方,いつもほんとうにご苦労様です.「非常勤の声」送付作業お知らせメールが来るたびに,なかなかお手伝いできず,心苦しく思っております.

◆いつもお世話になっています.先般いただいた会報の冒頭に,LEC大学についての告発文がありました.読んでいて思ったのですが,その人は,その大学がそのような性質であり,就職前にすでに社会問題を起こしていて,かつ,契約内容にも問題があるにも関わらず,就職を決めた,というように私には読み取れました.単に,その人に世間知がないだけのように思えますが・・・.労組の方々の日ごろの努力に応えるべく,賛助会員になりましたが,賛助の域を出ないのは,なにか独善的なものを感じるからです.そういう労組は結局,大変脆弱なのでは,と思います.大学で働く人間は,自分の専門領域と保身のことだけでなく,教育全体のことについて賢く,強くあるべきではないでしょうか.それとも,私の読みが間違っているのでしょうか・・・.

◆大学の授業が終わった後,予備校の授業がありなかなか労働組合活動に,協力できないことが,申し訳ないです.これからも,できることはしていきたいと思います.よろしくお願いします.

◆組合活動でクビになったことが2回あるので,加入は堪忍していただきたいのですが,応援しています.がんばってください.

◆組合員です.1コマあたり2万円台前半の学校で働いています.給与などの交渉で自分の勤めている学校よりもはるかに高い大学で上手く交渉が進んでいるニュースを見聞きすると羨ましく感じます.でも安い学校は組合員も少ないような気がして,組合に交渉をお願いするのも気が引けます.難しいです.なので、だいぶやせ我慢が入っていますが,自分のことはさておき全体が上がれば少しは・・・,と淡い希望を抱いています.お金も大事ですが,何事にも楽しさを忘れないようにしたいです.組合も働き過ぎないように適当に頑張って下さい.

◆いつもお世話になり有難うございます.私にも出来ることはないかと思いながら,今年の団交は全て仕事で参加できませんでしたし,機関紙の印刷送付もいつも仕事でお手伝いできません.本当に申し訳なく思っています.できるのはわずかな額の寄付くらいでしょうか (これまでしたことないですが).これからもよろしくお願い申し上げます.
恥ずかしながら,労働組合が存在することすらこれまで知らなかった.心強く思うとともに,さらに周知・広報活動をしていただければと思う.また機会があれば,今後もアンケートには答えていきたいと思っている.
健康保険に関してであるが,組合活動も結構だが,京都芸術家国民健康保険組合のように,非常勤が加盟できる健保組合を作る様な努力が必要だと思う.


特に不満なし

◆20年近く私立大学に常勤で勤め,今春定年退職.元の大学と別の大学で年間3コマ,前期1,後期2,の非常勤です.不足を言えばずっと非常勤の方に失礼です.

◆本年3月定年退職まで常勤の職におりましたので不満を言える立場にはおりません.常勤職のない方々の問題については十分承知しております.

◆講義上の問題点がある場合はそのつど大学側と打ち合わせ,対策してもらっている.

◆退職後 (63歳) も続けられる仕事としてあまり不満はありません.しかし定年前に今のような条件だと不満事項はもっともっと多くなるでしょう.

◆非常勤の仕事は,入試業務やら,オープンキャンパスやらに関らなくて良いし,気楽で自由で,とても気に入っています.幸い私がお世話になっている学校は,どこも和やかな楽しい学校ばかり.学生にも恵まれ,一年の半分休みだと思えば年収は低くても当たり前.専任の先生がたにも大事にしていただいています.一年の半分は,授業に全力投球し,夏休み春休みは,フルに休めますから,その間に稼いだお金を研究につぎ込むようにしています.
 非常勤講師室でご一緒の先生がたからは,よく色んな不満を聞きますが,私の行っている学校の一つには,タイトルの上でも研究費支給額においても,専任と非常勤の差が全くないプロジェクトへの参加の機会が,全員 (専任・非常勤とも.そして事務職員にも) に与えられているところがあります.(今年は私は申請していないので,貰っていませんが,欲しい資料があればぜひ買うようにと,一年に何度も声をかけてくれます.)

◆これまで幸いにして,非常勤講師の職でいやな思いをしたことはない.近年は非常勤への配慮も以前よりはなされるようになったと思う.

◆現時点では,現在一コマを担当している大学の非常勤以外に,常勤の職業があり,また現時点では,常勤になったり教授職を得ようとは考えていないので,非常勤としての身分や待遇について,特に大きな不満はない.


その他

◆LECの記事を見てびっくりしました.大変ですががんばって下さい.今年は社会保険に入ってますが,大学以外の授業を私の意思で減らすつもりです.そうしますと,年収が約200万円程度減少になります.それは許容範囲です.体が疲れやすくなって来ましたので.とても恵まれた環境で感謝しています.

◆最近,非常勤で多くの大学をみて,つくづく感じることがあります.それは,“校風”です.  威圧的で私大“ビジネス”の“雄” (?) になりたがっている大学は,おしなべて専任教員もスタッフも強気だったりインギンブレイだったりしますが (これは多くの組合員が経験されているとおり),学生の学問への態度や一般的な学びのスタンスにも影響しています.こういう時代だからこそ,社会的センスをみがきあうことが大切だと思うのですが (特に社会科学系),大学経営陣も専任スタッフも,目先の“お客さん集め”と技術的な小手先の宣伝ばかりに多くのエネルギーをさいているようにみえます.私はプロとして,どこでもまじめに教えていますが,内発的なレベルでは,学校の“学風”によって,いかんともしがたい部分があります.
 私学は本当に大学として存続したい (生き残りたい?) のであれば,大学で働くすべての人を大切にすると共に,教育機関としての原点に立ち戻ってほしいと思います.最近の大学の動向に“さもしさ”や“あさましさ”を感じるのは私だけなのでしょうか.

◆国連に対して (人権委員会),オルタナティブレポートを出せませんか.労働権は人権の1つですし.

◆この大学に私を採用した (非常勤講師になるよう依頼してきた) 人は,知人の紹介で私に連絡してきたのだが,講義に行くようになってから一度も挨拶に来ない.したがって私はこの人の顔を見たことがないし失礼ではないか.ともかく,行先の大学に対し何事であれ要求をしようとすると,物理的,精神的コストがかかるので,何もしないことが多い.雇う方は,非常勤講師一人につき最低一人は不満を受け止める担当者を設けるべきではないか.

◆このようなアンケートをして下さいます貴組合に深く感謝申し上げます.非常勤講師という立場は日本においては,なぜかくもおおよそすべての面で不利なのでしょうか?専任教員にも今日では「授業評価」などをはじめ職場を息苦しい状況に追い込めている条件は多々ありますが (非) の字がついている私どもの勤務状況,条件は専任教員のそれの比ではありません.状況は悪化の一途をたどっているように思います.学生の勉学,研究のための条件も次々と悪化して来ています.(学生はいつも私のところにいろいろの問題をかかえ悩み相談にみえます.なぜ私のところに?とお聞きしますと先生は (非) でしょう?一番相談しやすいのですよと答えてくださいます.) いつの日かアンケート用紙のなかに満足な点がいっぱいあり,不満な点が少ないコーナーができることを切望しています.

◆非常勤講師特に専任校を持たず希望する講師には机を1つ各自に配布されるべきである.

◆具体的に不満な点 (1) 銀行に住宅ローンを申請し,書類をこと細かく提出した後,却下されて高い民間のローンしか使えなかった.(2) ボーナスがないこと (3) 月により収入がゼロの大学があって生活が苦しい (4) 年金が少ないので,このままでは65才以降の家計がマイナスになること.

◆16年の浪々の後,42才で専任になって18年が経過したが,学科や教学委員会などで非常勤講師の採否を審議するとき,長年の非常勤生活を体験していない教員は常に学科と学科目しか念頭に置かず,簡単に「どうせ1年契約だから・・・」とか「止めてもらいましょう」とか「期限付き採用にしましょう」とまるで理事者のごとく発言する.非常勤に対する敬意の念が感じられない.「私の前で非常勤を軽々しく言うな!足掛け34年のベテランいや名誉非常勤だぞ!」といつも一喝 (彼らは恫喝だと呼んでいる) しなければならない.非常勤講師は理事長直属の身分であるのだが,どうもその科目担当の教員に良いようにされている感じを拭えない.
 一方,偏差値の低い大学の学生に「大学教育だ」などと到底無理な内容の授業を強行した上で暴言を吐く非常勤講師も存在するし,ヨレヨレの衣裳で教壇に立つ (小生などは当時5000円のスーツを百貨店にて多数購入,専任教員よりもシャキッとしていたものだ.専任に乞食扱いされないために必要なことだ) 非常勤講師も存在するし,もっと毅然とした態度で勤務すべきだと考える.こうした不心得者が仲間を窮地に陥れるのだ.

◆大学当局は「非常勤のおかげで成り立っている」と口では言うが卒業案内も入学案内も送られてこない.非常勤講師を使い捨てとしか思っていないのではないだろうか.

◆カリキュラムや授業についての意見や感想を非常勤講師から聴取していくという姿勢が全くない.大学や常勤教員が思うとおりの使い捨てのコマ使いという扱いに思える.

◆私語,いねむり等授業態度の悪い学生に対する指導は常勤教員がするべきで (又は大学側が) いやしくも非常勤にやらせるべきではない.

◆学生に非常勤講師の授業を受ける際は学習意欲のある者のみに限るよう十分オリエンテーションを行って欲しい.

◆学園祭やクラス活動に参加しようとしても非常勤の場合,主体的に行うことが認められない場合が多い.

◆大学の運営が非常勤教員によって維持されていることを経営者はしっかりと把握し,理解しないと,やがて大学そのものの存在が問われると思う.大学経営の危機を認識すべきである.

◆看護学校の講師料に比べ一般科目の賃金が安いと思う.看護の方は国試に通してほしいのできびしくなるからかもしれませんが.

◆私の勤務する某大学では,来年度より英語を除くすべての外国語科目が全廃される.このことに対して組合からも強く抗議してほしいと思う.

◆教育・大学の講義は,授業担当者と学生の相互作用という面もあると思うが,最近,学生はもっぱらサービスを提供される側という考え方が前提の学生が多く,大学・学生・担当者のあり方に疑問を感じる.またそれを積極的に発言する場がないことに不満を感じることが多い.

◆(1) 大学生の能力について,科目に対する講義内容についての説明が予め示されない.
(2) 授業時間以外に学生を指導したり学生と議論する場がない.
 以上二つが今まで6年間非常勤講師をしてきて感ずる不満です.私の場合,主たる収入は年金であり,講師をぜひやらねばという必要性はなく,日常生活の大半を講義の準備に費やしております.学生の能力を向上させようと,おこがましい目標を立ててがんばっていますが,準備をすればするほど学生からは嫌われているのではないかと感じてしまいます.学生の能力,大学としての教学の方針が知らされていないため上のような不満が生じています.常勤の教員を通じてトップに会いたいと申しても,多忙を理由に会っていただけません.

◆日本という経済大国の大学教育の現状,非常勤講師の待遇に憤りや驚きを覚え,文科省の官僚はなにをやっているの?

◆2時間の通勤時間で1コマだけの授業にまた2時間かけてかえってこなければならない.少なくとも2コマ通して授業できるようにすべきである.

◆最近は非常勤にも定年がある.なくすべきである.

◆文部科学省に何とか待遇アップをいえないものでしょうか.

◆学問の厳しさと大学の効率重視の考えの矛盾が大変である.具体的にはダメな生徒の扱いなど.

◆教育上の問題として.非常勤の学生に対する責任は限定されています.過度の負担はもちろん困りますが,学生の立場からすると,「授業を受けて終わり」の人とばかり接しているのはいかがなものかと思います.彼らの10年後に何か影響しないだろうか?

◆紹介してくださった先生方や教務の方は親身になってくださるので感謝しています.

◆私は非常勤講師の多くの方々とは異なった経緯で現在に来ているので参考にはならないと思います.元来が教員でなく図書館員から司書課程の非常勤講師になり途中から専任になり,その後再び非常勤になったからです.私の見る他の方々全員のことは判りませんし,目にする方々の中にも専任の教員よりはるかに優れた方がおられる例がみられますが,控え室での態度や話しぶりから特に若い女性の非常勤講師には軽薄な感じを受ける例があります.前者の場合,本当に不運というものがどうしたら払い落とせるのか,研究論文のみならず著書も出版され,専任教員の多くは及ばないと思うのに・・・とはがゆい程です.私大など非常勤教員の方が多数で,その力がなければ大学自体が成り立たたないにもかかわらず待遇となると,どこでも他校と平均をとって一校だけでも豊かな大学が多めに支払うということはしないのです.どの大学も抑えることで横並びの待遇をとるのです.根本的に非常勤講師の待遇改革しなくては人間の尊厳と言う問題にも抵触すると思っています.どうぞ頑張ってください.

◆講師の著作について,学生が購入するようなアピールを大学自体が積極的におこなってほしい (依頼しても生協書店に置かれない場合すらある)

◆30年以上大学で非常勤講師をしている.授業内容でトラブルは全くなかった.退職金が全くないこと,年金も健康保険もないことに大いに不満をかんじています.それらを計算に入れれば非常勤は,専任教員の10分の1にも満たない賃金で働いていることになるでしょう.大学教育は,非常勤講師の低賃金によって支えられてきたといってもよいでしょう.さらに,今後,派遣講師導入がすすむことも考えられ,組合に入って,何とか,それを阻止しなければならないと思います.個別の大学での粘り強い交渉と,文科省などの国 (当局) への働きかけが重要になるでしょうが,組合の知名度 (非常勤講師内での) が低いのが気がかりです.

◆非常勤で生活している身にとっては,本務校のある講師が「たいへんなのに (行きたくないのに) 非常勤に出講している」とグチっぽく話すのをきくのがばからしい.いやなら本務校のない非常勤に譲ってくれ!こっちは生活がかかってるのに切られて,次を捜すのが大変なんだ!又,非常勤であっても,その分野の専門教員がいない大学では (いないからこそ非常勤でその分野を補うわけだが) 学生が卒論や修論の相談にも来る.甚だしい場合には専任は自分の専門分野から遠い学生は放ったらかしで,事実上の卒論指導,修論指導を非常勤がボランティアでしている状態となる.専任で給料もらっているのなら,学生の論文指導くらいしてやれ!学生が論文相談に行ったとき,「わからないから」とか「好きなようにやって」とか無責任なことを言うな!

◆非常勤講師には,若い人から定年後の人まで雑多なため,統一的には難しいところがある.わたしのような定年後の者については,大学側はいわゆる肩書料として半ばボランティアのように扱っているように思う.  〇〇大学で教鞭をとっているということを,定年後のその個人の社会的ステータスを支えてやっているという考えがあるように思う.そんなことではなく,きちっとした報酬は支払うべきで,大学経営上の安い非常勤で穴埋めするという考えでは,学生こそいい迷惑だと思う.

◆大学での混乱状況は,日本社会全体の縮図のように見えます.経費節減という口実の下に,教員の待遇が益々悪くなってゆくのを肌で感じています.今世間を騒がせている耐震構造をめぐるスキャンダルと,大学の常識はずれの経営方針には,かなり共通性がありますね.教育現場の問題は,長く尾を引くので,何年も後にトンデモナイ事態にならなければよいが,と案じています.

◆非常勤講師控室が全くないところがある.少なくても非常勤講師専用の机,テーブルを設けてほしい.

◆大学専業の非常勤のみに生活規模をおくのは無理のあるような気がします.(もちろん,それだけで生活していければ問題はありませんが) 私の場合,社会的ステータスの高い名誉職のように考えるようになりました.でも,それだけでは待遇改善は期待できませんので,身分保証,大学専任教員にならなくても研究機関への就職など間口を広げる必要があると思います.オーバードクターの受け皿の組織をしっかりととのえるべきだと思います.

◆非常勤講師給与で日本人と外国人とで差を設けているのは法の下の平等に反するのではないのか?特に両者の授業労働に大差がない場合.

◆通勤中の学生の会話「非常勤講師ってのは根無し草だよな」

◆私は大学教員前に相当恵まれた職業 (もちろん専任で給料もよい) についていましたので,短大や地方大学は初めから,専任でも断ってきました.金銭的に不利でも,研究時間はありました.東京だから英語で食べられたのですが,地方にいたら,絶対に最初の勤務先は辞めていなかったでしょう.専任教員をみていると,ほかの大学でも非常勤をやり,月から土までめいっぱい働いています.学術論文を書く時間がないのです.教授になれない専任教員がたくさんいます.

◆非常勤側にもひどい授業をする者はたしかにいる.雇う側ばかり責めることもできないだろう.

◆雇い止めの不条理な経験について,当該大学 (国立独立法人) の組合に,一般論として問題提起したが,無視されつづけた.労働基本権の埒外に置かれている非常勤講師のあり方は,現在「構造改革」の先取りをしているのだから,すでに自らのあり方からの問題提起こそが,「成果主義」や「自己責任論」の矛盾と暴挙を告発することになったはずであった.政治学や法学の人士もいるのだから,世の防波堤として,自覚を行動に移し,このようなアンケートを出発点にして,大きな力を発揮すべきである.この取り組みが,具体的な成果をあげるよう,労働組合を,政治を,つき動かす出発点にしてほしい.

◆非常勤講師の立場では,いくら熱心な教師であっても,学生に十分な教育を施せない.それは体力的にも時間的にも研究的にもでして,絶えずジレンマの中で残念な思いの中で教えて来ているように思う.学生が気の毒だし,もっと非常勤講師でも一人一人の学生の学習にケアできるような全面的なゆとりがほしい.教育はゆとりの中で育まれると思うのですが.

◆大学も専門学校も行っていると,専門学校の労働条件,賃金等の方が,大学よりも悪いために,大学の労働条件や賃金,非常勤講師としての待遇に不満を感じないことがあります.専門学校も大学や短大と同等と考えて底上げをしていかないと,実質上がっていかないのではないかと思います.しかし,自分がどのように関わっていけるかは,明確に言えません.つまり,案が浮かびません.

◆大学の経営は,非常勤講師が前提になっていて,総ての講義を専任教員で行うことはできないのにもかかわらず,講義に関しては,専任教員となんら変色ないのに,賃金の低さ,身分の不安定性はひどすぎる.

◆私は定職 (公務員.専門職) があっての非常勤なので,ある種気分転換なり趣味的な部分があります.あまり参考にならないのでは.

◆私は専門の講義以外に,お金稼ぎのために語学の授業も持たせていただいていますが,その労力は全く違います.講義は専門知識を教えるためのものですから,準備はちょっと予習すればよい,というものではありません.語学の授業についても,宿題をきちんと見てやるだけの時間はとてもありません.結果,学生たちの指導はおろそかになります.専任の先生方が,「空いている」コマの時間に,自分の研究室で宿題を見てやっているのが大変うらやましいです.非常勤講師は私の知っている人はみな,教育への熱意が高い人ばかりですが,このような状態では物理的に教育の質は落ちるはずです.安上がりな非常勤に頼っている大学の教育の質は低レベルであると,訴えたく思います.

◆以前はもっと授業や試験のために準備の時間が長かったのですが,いままでの熟練というか経験蓄積により,また他方,統一教科書・統一試験などで,独自準備・採点が減り,時間をかけても仕方なくなりました.大学の語学教育について,それに関連しての雇用などについてはもっと書きたいことがありますが,また追ってお送りします.

◆私は博士号がないので,とうとう,高校の非常勤講師や予備校の非常勤講師になりました.普段は家庭教師の収入が最大です.この先の不安は拭い去れません.博士後期課程で借りていた奨学金の返済はまだしていません.というより,できる状態ではないです.また,仕方ないので,通信学生 (学部生) に戻って,高校の免許を取るようにしています.この学費も捻出するのに苦心しています.何のために馬齢を重ねているのか,わからなくなってきました.短大の非常勤は2年度分,大学の夜間の非常勤は1年,高校の常勤は1年,高校の非常勤は1年目という感じです.

◆非常勤講師の待遇改善について,文部科学省はどう考えているのでしょうか?もう少し研究費,有給休暇などについての改善を要求したいですね〜♪

◆常勤への登用は,若い人,女性の場合は,配偶者のいない人を優先しているように思われる.私のように中途で教職に就いた既婚女性にとっては,一生,非常勤かもしれない.  自分の専門が労務管理でありながら,自分の雇用についてはどうすることもできない.大学の非常勤は日本の中でも最も,労働条件の悪い職業の一つと言える.堅牢な年功序列の賃金体系のせいだ.年齢ではなく,経験年数で給与を決めるべきだ.
 しかし,最近の常勤も大学の機構改変の中で苦労を強いられているように思える.研究条件も悪くなっている.それなら,いっそのこと,雑用がなく,自由に研究・教育ができる職として,賃金などの労働条件のみを改善して,非常勤でいるのも悪くないか,と思えることもある.これは,まさしく就職をあきらめたフリーターの心境だ.学生のフリーター志望を理解する感情は,こうして誕生する.  しかし,教育はやりがいのある仕事です.学生の輝く目にすべてを忘れます.

◆最近,非常勤問題を大学全体の問題と捉えるどころか,逆に専任教員が積極的に「より良き」管理者になりまさり,非常勤に管理的な介入をすることによって自らのアイデンティティーとポストを保持しようとする動きすら目につきます.また非常勤の方でも,不公正で不当な低賃金と雇用不安のストレスから,他の非常勤の働きの悪さを批判することによって自分の身を護ろうとする行動がちらほら感じられるようになりました.このままでは教員同士の連帯などありえないばかりか,ますますお互いに孤立化してゆきます.まずはこの実態を広く社会に知らしめ,大学人だけでなく社会全体に認識を押し広げることが大切でしょう.このアンケートが非常勤が社会と連帯する契機になることを願って止みません.

◆非常勤講師は厳しい状況に置かれていることを承知しています.改善できるように一教員として努力したいと思っています.

◆該当人員が少ないため,まず,不満を口にすることもできない,誰にも相談できない (人事はかなり感情的に行われているため) 立場におります.ここでも詳細を書くことが怖いのですが,明らかに契約,人権を無視した扱いを受けました.ただ,現状で,まだ非常勤でそこへ行っている点と狭い社会のため悪評を流され,他校でも仕事の機会がなくなるのを恐れ,なにもできずにおります.

◆セクハラ,アカハラを専門に扱う第三者機関があったらいいのだけれど…と思います.予想以上にこうした被害を受けている非常勤講師は多いはずです.

◆今季で時限助手が切れます.来年度は貯金を切り崩すか貯金を生かして財テクするか・・・

◆非常勤をしながら,海外へ留学することが難しい.

◆最近,通信教育が盛んだが,通信教育の非常勤は,通学の非常勤以上に悪条件で雇用されているようだ.特に,女性に対して,家事の合間に出来る仕事として依頼することが多いようだ.これは,性差別ではないだろうか.

◆日本の大学などの高等教育は非常勤講師がいて成立しているにもかかわらず,非常勤講師の賃金は低い,雇用は不安定,労働条件は悪い,なんとお粗末なことかとつくづく思う.  もう20年ちかく,数校の大学や専門学校を渡り歩いて非常勤講師を続けているが,専任との落差には呆れるばかりだ.自分自身は研究をなんとか継続し,論文などの成果もぼつぼつ発表しているつもりであるが,生活費や子どもの学費など経費がかさんで,思うような研究費が捻出できない.本当に悔しい.

◆非常勤講師は,図書館で受けられないサービスがあったり,研究室がないなど,かなり不便だと思います.その上,1コマあたりの講師料も十分とは言えないのに,研究費がつかず,必要な資料はすべて自費で揃える必要もあります.私は大学図書館の正職員として働くかたわらでの教育職従事ですのでまだなんとかなりますが,非常勤講師が主な収入源であったら,とてもやっていけないと思います.

◆1年契約であっても,同一大学で何年も更新をしている場合は,継続雇用とみなされ有給休暇が毎年つくということは労働局で聞いたことがあるが,大学側から有給休暇について知らされたことはない.病気をして休んでも,補講をするように言われるところもあるらしいが,非常勤講師は病気にもなれないということになる.これは労働基準法に違反する行為であると思われる.定期試験を含め,年間30回弱しかない授業を休むということはなかなか難しい状況であることはわかるが,労働者としての権利が本当に守られているのか疑問に思っています.

◆私の不満は給料にではなく,学問の質の問題にある.非常勤講師は専任教員と比べ,研究能力も劣るかのように扱われている.私のような年長者になると,学会で研究発表をしても,審査を担当するのは,専任の若手研究者である.学問の継承のためには,若い世代に責任を担わせる必要があるのは分る.年功序列の弊害も理解している.だが,年をとれば自動的に,長年積み上げてきた人文系学問の薀蓄すら無視されるのであろうか.問題は若手研究者が未熟且つ無知なために,専門分野をより熟知した研究者が,若手によって蹴落とされかねない不条理な時流の中にいることである.これは学問の発展にとって却ってマイナス要因ではないか.大学で人文系学問の質の評価が問われなくなって久しく思われる.
 若くして専任教員になった者は運がいいに違いない.だから,それで研究能力も人間性も卓越しているかのように思うのは間違っているし,そのようなシステムが出来上がり,学会の運営にも浸透しているのは嘆かわしい.私は教員である限り,学生の可能性をいつまでも信じている.しかし一旦,専任と非常勤を分けてしまうと,偏差値で運命が分かれるように,その後非常勤がいくら努力しても,専任教員が作り上げたシステムの中でいつまでも研究能力が認められないまま終わることになる.専任教員が教育の可能性を信じているなら,こんなシステムの不条理さに気付いていなければならぬはずで,直ちにこれにストップをかける対策を打つべきであろう.

◆人間には希望が必要です.いつ廃業しなければならないかと言う不安ばかりでは,いい授業も出来ないし,いい研究も出来ません.貴組合に掲載されていました「1コマ当たり月額50000円の根拠」のなかの専任のモデルケースほどの年収はなくとも,もっと安心して働けるようにして欲しいものです.大学は,非常勤の専任化をすべきです.ひとつの大学では,1コマしか開講しない授業でも,複数の大学で共同で雇用して授業を提供し合えば,専任化は可能であるはずです.人件費が足りないと言うのは言い訳にすぎません.差別待遇の労働者なくして事業が成り立たないと言う前に,人件費の配分を見直すべきでしょう.

◆授業ができないような大学退官者を雇うのを辞めて欲しい.暇つぶしではなく,生活のために職を求めている若い研究者がいます.

◆法律上の結婚をしていて子どももいる女性の場合,まだまだ,就職することに対する風当たりが強いと感じる.

◆担当コマ数が少なく収入が中途半端 (額面139万円) なので夫の扶養家族にも入れず,やむなく国民年金,国民健康保険に入っている.この二つの負担をマイナスすると実質収入はかなり少なくなる.もう少しコマ数を増やしてほしいがなかなか難しく,税制上の不満もある.また自由に使える語学教材なども充実させてほしい.大学での使用教科書などは大学で買ってほしい.

◆昨今は大学も大変なので,時代の変化により科目が増減するのは致し方ない.ただ,非常勤講師を「雇い止め」にする場合,一定額の「退職金」が支給されるような制度を作ってほしい.(たとえば,前年の給与6ヶ月分など) そうすれば安易な雇い止めも減るのではないか?  それから,常勤講師の職にある者は,それなりの自覚を持って授業に臨んでほしい.高い給料と安定した身分を保証されているわりに,常勤の方が授業に対する緊迫感が欠ける.

◆非常勤講師同士の交流の場を設けてほしい.最低年に4回ぐらいは必要だと思う.

◆ネットワーク関係の授業を担当しております.文系の大学では,実習環境が整っておりません.実習教育環境を検討する会議に参加させていただきたいと思います.

◆低賃金で保障が明確でない等,非常勤講師としての身分の問題があると思われます.たまたま扶養家族となっていますが,そうでなければ,この賃金ではギリギリのコマ数を担当していたとしても,研究費の捻出は難しいと思っています.

◆大学とのコミュニケーションが,個人レベルでは以前よりとりにくくなっている (事前の説明がなくなり,突然の通知のみになりつつある) 昨今,大学との話し合いの窓口としての組合の役割を重要に感じています.本音を言えば,以前のような,ギスギスしない (大学と非常勤,教員と学生・・・の間で) 大学に戻ってほしいのですが・・・.

◆賃金の低さのために教育上,研究上のモチベーションが下がってしまうことがあることが残念です.きちんとした授業をしようとすれば当然,準備等に時間がかかりますが,それが給与の対象になっていないために教育の質が下がるようでは,将来的に大きな危機になるでしょう.私はまだ弱輩者ですのでそれも勉強と考えられる段階にいますが,長期的に教育の質の向上という観点から,また,非常勤講師の精神衛生の観点から見て,現行のような制度が長続きすることは問題だと考えています.

◆世間の派遣労働者のおかれている条件程度に非常勤講師の労働条件が改善されるだけで,随分いろいろなことが変わることでしょう.しかし,それがとても遠いことに思われるのが一番悲しいことです.

◆働く上での一番の不満は,教えていく上での問題点,学生の問題等を誰に相談すればいいか明確ではない点です.個人的に相談したことが,他の教員に誤解を与えたりすることもあるので,ただ静かに与えられた仕事だけをこなしているような状態です.

◆非常勤講師が印刷物や教材類を大学に保管できるロッカーなどがあると助かる.全てを持ち込まなければならないと,日によっては膨大な量の印刷物を持ち歩くことになり,非常に負担であることがある.共同使用であっても構わないが,一時的なものではなく,学期を通じて使用できるロッカーのようなものがあるといい.

◆大学ごとの非常勤講師給,付帯業務の程度,設備等について,非常勤講師の間で一覧表を作り,各大学に配布するのはどうだろうか?

◆大学院時代には,今でいういわゆるパワーハラスメントを受けて一方的な決め付けから散々罵倒され,鬱から顔面神経マヒを患い,入院を余儀なくされました.専任教員からすれば,非常勤はただ働きでこき使っても,かすみを食べていれば生きていけるとでも思っているのでしょうか.精神科の通院も5年になろうとしています.

◆非常勤控室にコピー機,パソコン,文具等がない.時計もない.いちいち学生課に行ってレジュメ・資料を印刷している.

◆自分の科目の位置づけがわからない.当該学部の中の専門科目なのかどうか,よくわからない.どうも教職科目のようだが,知らされていない.専任教員からは好きに授業をやっていいよ,とだけしか言われていない.

◆非常勤講師の給与はこの十数年以上,殆ど据え置かれたままの状態である.学生のクラス人数にばらつきがある一方で,質より量 (数) が重視されている.学生からの「授業に関する調査」や,雇用条件の見直しなど,外からの締めつけや圧力によって萎縮し,創造力をなくした教師も増えている.教育は全ての基本である.教育に効率や,採算を求めてはならない.未来を築くのは教える人でなく,教えられる人なのだから.教育に夢をなくすことは自らを滅ぼすことになりはしまいか.

◆賃金は,非常勤講師が「パートタイム」労働者であることを前提とすれば,他のパートタイム労働より相対的には良いといえるでしょう.もちろん専任とは待遇が比べ物にならないくらい悪く,大学の職階梯制には辟易します.
 個人的には,職能組合は好きではありませんが,常勤の教職員組合よりずっと存在意義があると思います.労働運動は,もっとも労働条件の劣悪な労働者の条件改善を第一義に進めるべきだと思っています.将来の社会のあるべき姿を「市民社会」と位置付けるなら,個人が労働権を守りながら職場を変われるような仕組みが必要です.

◆今の私の心境としては,僅かでも (自分にとって相応しい) 仕事があり,少しでも収入が (多いことに越したことはありませんが) 得られることを有り難く思っております.非常勤講師の仕事は,現在のところ,週一日ですが,もう一両日の仕事をいただければ,収入ももう少しは増えるでしょうし,仕事量-収入-余暇のバランスもよくなり,より有り難いかなと思っています.

◆大学に残ることを希望する方は,研究面・教育面で成果をあげるまでは,低賃金もやむをえないかと思っています.私自身は,非常勤講師は短期間でやめて,本業に絞っていく予定です.

◆欧米では,非常勤職だけでも生活することができるだけの報酬のところが多いらしい.非常勤の薄給によって大学経営を支えている日本の現状は,異常ではないか.しかし,その反面として,(特に) 若手研究者のなかに,非常勤職を求めるひとの数は増大していると思われる.すると,小さなパイを大勢で分かち合う互助的な構造が,研究者の側にもある,と言わなければなるまい.

◆私の場合同一の科目を数人が担当しているが,それぞれの授業の評価をしないで,どの教員も平等に扱い,絶えずよりよい授業を目指している小生の心意気は学生にしか分かって貰えないのが残念だ.なんと言っても,給料の安さが問題ですね.組合のことは以前から知っていましたが,組合員になろうかと考えながら,いまだに入っていません.実に申し訳ないと思っております.役員の方々の活躍には,心より敬服いたします.どうか,今後も頑張って下さい.

◆非常勤講師の問題も放置されたまま,常勤講師の待遇もドンドン悪化しているように思います.とくに私立で定員割れを起こしている大学などは,とてもひどい環境です.
 たとえば,僕が今行っている○○大学は,最寄り駅からかなり遠く,しかも山間の大学なのに,1時間に1本しか運行されていないバス代しか交通費として認められていません.一コマ当たりの講師料は,7000円台と最低レベルなのですが,毎回駅からのタクシー代が経費としてかかっています.学食のレベル,学内のPCのレベルなどを鑑みると,言い方は悪いですが,「すでに逝っている大学の,逝ってしまった環境」という感じです.僕は研究室の先輩 (現在は教授) から引き継いだのですが,こういった事情の説明は一切ありませんでした.

◆非常勤で専業できない状況です.アルバイトで糊口を凌いでいますが,非常勤が週一コマ午前中にはいっているので,アルバイトのシフトも組みづらい状況です.今後コマが増える見込みはなく,むしろ失う可能性がたかいのですが,転職しようにも年齢的な壁があって八方ふさがりです.

◆非常勤講師をどのように処するかということは,学生の教育をどのくらい大切に考えているかということと直接結びついている.非常勤講師の使われ方の実態の大学間での違いがわかるような一覧表を作り,格差を受験生や父兄に知らせるような方法を考えたらどうか.

◆非常勤のお給料で何とか生活しています.30代女性ですが,今までに2度専任教員からの明らかなセクハラ,学生からのストーカー行為を受けました.それでも,自分の立場を考えると,専任教員からのセクハラ行為については何の対処もできませんでした.(学生からのストーカー行為については,大学側に相談しよく対応してもらいました) このようなことがあると,とても不安定な気持ちになります.
 このまま専任のポストがないままだと,出産や育児についても不安がありますし,非常勤の上,子どもを産んだりしたら,いったんは研究職をあきらめることも考えると思います.
 私の場合は幸い,どこの大学でも専任の先生や事務の方には良くしてもらっています.ただ,非常勤を別の方にお願いすることになった時,「先生くらいの若めの人で,安い非常勤級で雇える人で紹介をお願いします.」と言われました.とてもよくしてもらっていましたが,所詮安い給料で使いやすい駒だったんだなぁと実感させられました.
 授業評価も欲目なくとても良いですし,何より教職は天職だと思っているので,授業準備も授業の工夫もしています.普段は頑張っているつもりですが,時々,授業準備に時間を尽くせば尽くすだけ自分の時給を下げるようなものだと思えて辛くなります.そして,授業準備や学生とのコミュニケーションに時間を割けば割くだけ研究時間は減り,さらに専任のポストは得にくくなる気がしています.そんなときは,ただ学生のためだと言い聞かせて割り切るようにしていますが,考え込んだらやってられません.
 最近の学生の間には,うつ状態や精神的に不安定な学生が多くなっていて,非常勤の私の所にも授業後にやってきては,1時間,2時間と話し込んでいきます.また,編入を考えて相談に来る学生も多いです.もっと親身に話を聞いてあげたり,指導してあげたいと心から思いますが,非常勤の立場で責任も持てませんし,無給で時間を多く使えるほどゆとりはなく,ジレンマを感じる毎日です.
 現在の非常勤の人を全て専任にするほど予算がないのはよくわかります.でも,せめて,フルタイムではなく,単に働く時間を半分+行政職の免除のようなポストの創設はできないのでしょうか.午前職や午後職などです.講師控え室よりも充実して,個人机を持つことができる大部屋の研究室の創設など,真剣に検討してもらいたいです.そうすることで,研究場所を確保でき一つの大学でコマを持てるので,移動のロスもなく,学生の指導もいきわたると思います.  いつも,この組合のニュースを見ながら,実はとても励みに思っています.

◆私は,定年退職後,年金補充と,若い学生との接点を求めると言うことで,非常勤講師をやっていますが,若い方で,非常勤しか働きぐちがない方は本当に気の毒に思います.不安定雇用が蔓延する中で,特に教育に携わるというのはあってはならないことだと思います.せめて,EU並に,労働単価を同じにする運動をやっていかなければならないと思います.ご奮闘をできる限り支援したいと思います.

◆現在の雇用に怒りは覚えませんが,先行きが不透明なので不安はあります.「やめたい」と思う大学もありますが,それは雇用体系や給料の問題ではなく担当の専任教員が気に入らないことや,大学が出してくるカリキュラムに不満があることが理由なので,常勤になっても同じことでしょうから仕方がないと思っています.

◆○○大学で印刷機使用のための鍵を事務室に借りに行ったところ,故障中とのことでしたので,仕方なく,コピーカードを貸してくれるようお願いしたら,原稿一部30枚以上になるものは印刷機でお願いしたいとのこと.次の授業で使いたい旨を強く訴え何とか借りることが出来ましたが,コピー室に行ってみたところ,さる専任教員2人の会話.いわく,「20万円のコンピューターは安物っぽいのでやっぱり25万円くらいは申請しなくちゃね」「そうそう」.印刷機とコピー機を使い分けていくら位の節減になるかは知りませんが,たとえ印刷機が故障中でも30枚以上のコピーは非常勤教員にさせないようにするよりも,専任教員の研究費の適当な使い途を管理することの方が余程の経費節約になると思いますが・・・.

◆専業非常勤時代はたいへんでした.

◆自分の直接上の専任講師は,いやな人ではないが,そのほかの講師の中でも,「派遣からきた講師は講師でない」と思っている講師がいるようで,挨拶さえしない講師がいる.

◆来年度の契約をかわすのが,非常に遅く,他の先生方の間でよく交わされる「来年度もお願いできますか?」や「来年も○コマでいいですか?」という話が一切ない.更新が当然と思われている.

◆現在,会社の就業時間内に出講しているため,講師給が会社への入金となっており,授業用の参考資料等の出費が,全額持出しになっている.また,受講生が多く,レポート,採点等に時間がかかり,会社の就業時間外に対応しなければならないため,時間のやり繰りが大変で,採点時期になると自由時間がなくなってしまう.

◆定期試験後,学生の成績 (マークシート用紙またはフロッピー) を提出することが大学から求められています.些細なことですが,郵送に要する料金は大学が負担するのが「常識」だと思いますが,私の行っている大学の1つは,非常勤教師の自己負担です.

◆○○大学での非常勤退職後におきた話です.成績の担当部署から「学生から成績の問い合わせ」があるので応えて欲しいとの依頼 (前触れもなく一方的に文書が郵送されてきました) がありました.内容は,学生本人の履修登録ミスで,1年間授業に出席したにも関わらず成績の判定が出ていないので単位の取得が出来ない,というものでした.担当部署からの文書を見て,びっくりしました.というのも,私が埋めなくてはならない書類は,始末書的なもので,私の方に落ち度があり,このたび成績評価を訂正する,しかも,訂正の理由を添えなければならない,といったものです.電話で担当部署の人間に問い合わせをし,確認をしたところ,文書と同じ事を言っており,一度電話を切り,再考しましたが,やはり,納得が行かないので,もう一度電話をすると,さきほどと別の人間 (女性) が対応し,訂正の理由は書かなくても良いので,この書類を埋め印を押して欲しい,とのこと.返信用封筒も同封されておらず,郵送に要する料金 (些細な額です) も退職した教師の自己負担ということを前提としていました.

◆ある大学では2月にも授業を行うのですが,私の使っていた教室は2月に入ると暖房が入らなくなります.寒くて,学生も私もつらい思いをしたことを思い出します.学生や教師の授業支援をする部署の部屋に行くと,ちゃんと暖房が入っていて,Yシャツ姿でも過ごせる室温でした.これって本末転倒では.

◆任期制助手を任期 (4年) 満了で (強制) 退職してから非常勤1コマをもらってすでに7年になります.非常勤講師の処遇がよいとはもちろんいえませんが,非常勤講師職の問題は,大量の非常勤を抱えて存立するわが国の大学の構造,ないしそうした大学が溢れるほど存在する日本の現状そのものに由来します.非常勤職の‘雇い止め’は悩ましい問題ですが,一方,一時期助手=任期制専任として働いた感触からすると,非常勤講師は,学科の特色変更やカリキュラムに応じてあるていど自由に裁量して雇用したいという大学側の意図は,承認できずとも理解はできるものです.では,私自身が研究者として満足できる状況にあるのかといえば,研究以前に,生活のために大学以外の塾・予備校などの労働で週日を埋めてゆかなくてはならなくなっており,私自身の能力やこれまでの業績から見ても,専任職に就けないのはある面,自己責任と考えざるをえないと思っています.
 他方,私の勤めた大学で助手が任期制になったのは,任期が口約束だった時期に‘居座って’教授会メンバー (専任講師) に上がった者が3名いたためです.この3名の中には,研究者として有能な人もいますが,そうでない人もいます.任期制導入の名目はもちろん「若い研究者の移動を活発にするため」ですが,実際にそんなことを考慮している専任などいません.助手職の内容は,名目=研究職で実質は予算管理や卒論管理,ゼミの人数調整など,教員・職員・嘱託のいずれにも押し付けられない雑事の山でした.これもある面,致し方ないこととも思いますが,居座って専任になった数名に対して,より就職状況の悪くなった時期に任期制で捨てられたことには,きわめて深い不公平感を感じています.[現在は助手職も廃止され,アルバイトのT.A.のみ]
 助手として勤務していた時期に,他の非常勤講師の方たちに十分な配慮ができなかった憾みはありますが,助手職の実態からして,それ以上は無理だったと思います ― 一例を申せば,非常勤にも講座運営予算を使う権利はあるのですが,専任が持参する領収書の山 (学科の専任全員の研究費管理も助手がしていた) を処理する以上に非常勤から要求されると (されませんでしたが) 処理不能だったと思います.多く,非常勤には研究費が支給されないのみならず,講座運営費 (プリンタのインク,講師控室外でのコピー,等々) も与えられませんが,これらを改善するためには事務系等の変更も必要で,事務局側は負担をできるだけ減らしたいので,改善困難になるわけです.
 何とも論理的でない,単なる個人的グチになりましたが,非常勤講師が団結して処遇が改善されるということは,あまり本質的な策とは思いがたいということも,正直思うのです.昨今,学校以外の職場も,非常勤=パート/アルバイトと派遣を激増させる傾向にあり,それらと同じ次元で考えるべき問題だと思います.‘ワーク・シェアリング’というコトバだけは一人歩きしつつ,(専任の) 大学人からして自らの職場ではこれを否定しているわけで,しかもこれまでの不公平な人事や,ボスの横暴による疲弊などが堆積しているであろうわが国の大学・短大界は,急激な少子化の中で,内部の腐敗とともに大崩壊しつつ,そのなかで非常勤職も消えゆくことを余儀なくされるのです….

◆専任校を持たない大学非常勤講師が,大学専任教員に就任することを促進するためには,以下のような方針が有効ではないかと思います.
(1) 大学専任教員 (助手以外) を採用する際に,教育実績としての科目担当歴を重視する.(科目担当歴を持たない助手等の形式的な教歴は除外する.)
(2) 大学専任教員が退職した際には,その後任として,専任校を持たない大学非常勤講師を優先的に採用する.
(3) 他大学に専任職を持つ非常勤講師の割合を,当該大学の非常勤講師全体の4分の1程度に制限する.

◆教育行政の基本的な枠組みとして,言葉を通しての「教養」の習得ということがもっと大切にされていいのではないか.それは個人が,大きな流れ,力に翻弄されないために養っておかなければならない「批判精神」を育てるうえで欠かすことの出来ないものだと思う.企業からの「採用」に結びつきそうもない,「教養」の習得など,大学教育においてもう用なしだ,ということなのだろうか.

◆毎年,共用研究費の分さえももらえず,授業用授業や研究に直接的に関係した書籍・CD・パソコンメモリ等の購入費も自費で支払っている.

◆非常勤講師給の構成 (準備・授業・事後整理などの内訳) を明確に示すべき.そのために,これらの時間の実態調査は意味がある.

◆学識経験者として委員会などに所属することがあるが,このような機会が大学を通じて,生まれるようになればよい.知識や技術の社会還元は非常勤であっても大切.

◆実習・演習などで常勤教員との複数担当の場合,1科目あたりの非常勤担当枠が80%など,上限が決められている場合があり,たとえば10回の内2回は無料で出校するか,授業に参加しないかになり,この点は不満.

◆専任教員の給与体系を年功給ではなく,経験給にしてほしい.そうでないと,中途で研究者となった者は,大学側が高い給与を支払うことを嫌って,専任に採用されにくい.一方,最近は,企業の幹部を経験した人たちが専任やそれに近い待遇で雇用され,追い越されたようで良い気がしない.そうした人たちは,論文も急ごしらえで作っている場合もある.また,採用基準があいまいだ.海外では博士号を持っていないと,専任教員への応募すらできないことが多いが,日本の場合はその基準もない.

◆PCとか保管できる鍵付の大きなロッカーがほしい.本とか置ける,安心して研究できる環境 (場所) が必要.この点では院生よりひどい.

◆長期休暇以外に終日休みがとれるのは月2回だけですが,そのわりにたいした収入にならないです.労働・教学条件についての不満は,本音は順番をつけられるものではなく,どれも同じくらい不満です.
 個人的には担当授業が実技ですし,まだ博論を書いてないので,賃金が多少安くても仕方がないかとは思っていますが,博論を書いてなくても常勤の人はいるわけで,年々常勤への条件のハードルが高くなっていると思います.院生が一昔前よりも増えた,ということもあるかもしれません.常勤の就職が必ずあるわけではないのに,院生を増やしてもどうかと思うこともあります.

◆競争社会の妄想
 発想の転換が必要かと考えます.人間誰しも人生は一度です.始めは未熟であり,四十五十の声を聞けば体力が衰えてきます.しかし,その過程を経験するのは誰しも一度なので,大局的にこの問題が捉えられないのではないでしょう.終身雇用においては,それらを無視して,若い労働力は安く,年齢が高くなると賃金があがります.賃金が上がることを前提にして高齢者はライフプランをたて,彼らの約束された収入を確保するために若者を雇用しない・賃金を抑える,という構造が続いています.
 学生を終えて,五年たっても十年たっても「信じている安定」が得られなければ,大抵の人間はおかしくなりますし,リストラを「競争社会において努力の足りなかった者」と信じている人が,30過ぎてリストラされれば,絶望します.
 「競争社会」という概念そのものが,実は曲者の気がします.企業にとって「競争」に勝ち抜いた強い者とはどんな者でしょうか?業務上の努力や頭の回転ではありません.限られたポストで与えられた仕事をコンスタントにこなすことです.弱者とは何か?無理のきかない者です.病弱,介護や出産や育児で長期休んだり家庭を気遣わねばならぬ者等.人間のそうした不可避の部分を様々な形で排除して,日本の企業社会が成り立っている気がします.女性を専業主婦にして男性の生活面の負の要素を全て補わせる,働きたい女性は結婚や育児をリスクとして捉え,避ける.  社会とは競争するところではなくて,支えあうところではないでしょうか?だいたい,この勤勉な日本で,この上何を競争させようというのでしょうか?なぜむりやり落伍者を作り出さねばならないのでしょうか?
 「終身雇用率」の高かったころには「数年間の我慢」であったかもしれませんが,今や30になっても40になっても正社員になれない若者 (すでに中年) が増えています.福利厚生の整った正社員が一人前という認識の人にとっては,「人ではない」.特に親世代は一人前の社会人とみなさない,どこか問題があるから就職できないのではないか,という偏見につながり,そのため結婚できない友人,うつ病になり社会からリタイアした者も多くみてきました.にわかには信用されないかもしれませんが,本当に,周りに死者,精神障害者が何割といるのですよ.彼らがおかしな人間であった,努力が足りなかったとは私は思っていません.ただでさえ少子化で優秀な人材がほしいときに,見えない化け物によって多くの若者が犯され,病み,壊れています.
 はりあうことばかりでなく,自らの現在の人的社会的体力に見合った範囲で,明日の不安なく働けることが大切だと考えます.その意味で,私はこれ以上の経済的悪化がなければ,今の生活で「今生」を満足しようと思います.結婚することも,子供を産むこともできませんでしたが.
 日本の生活水準は分を超えて高すぎます.このひずみと,「だから頑張れ」と盲目的に右肩上がりを主張する風潮が,本来の人間を維持することもできなくしてしまったと考えています.

◆来る年も来る年も,一般教養の語学クラスしか担当させてもらえない現実.仕事に対する努力や力量が評価されることもない.習熟度低レベルクラスの担当が続く中,向学心などとはおよそ無縁の学生が相手とて,手を抜かないことが自尊心を保持するための唯一の手段となっている.(昨今の無記名式「授業アンケート」になぐり書きされた「悪口」を目にすると,自暴自棄になりかけることも多いけれども.) 院を出て後5〜6年間は,自らの未熟さへの自覚やわずかながらの希望もあって,それでも苦にならなかった.が,10数年が経った現在,なんらの発展も望めない境遇に,もはや絶望感以外抱けない.生活費はもちろん,国民保険,国民健康保険,介護保険料金を支払うため,このまま働きつづけるにしても,最近では心身とも,60歳までこの仕事を続けられる自信もなくなってきた.退職後にはさらに広がる専任と非常勤間の雲泥の差に憤怒する一方で,(貴組合への加入など) 具体的な行動に出ることにも躊躇する自身がもどかしく情けない.

◆講師控室はどの大学でもたこ部屋で,用事はできるだけ自家用車内で済ませている.

◆大学によって非常勤の待遇に大きな格差があると思う.どのような基準の待遇が標準的なのかまったく分からない.これが技術立国,知財立国などといっている国のお寒い情況だ.

◆今年10月ごろにある大学で,昼夜二部制を廃止して,昼間部を二倍の定員にする旨通知があり,授業数減で来年度はないかもしれないと連絡があったきり,今に至っている.この組合の活躍のおかげで,勝手はできないという自覚が生まれたのか,ある意味大学側の人事も巧妙になってきている.単純に向こうの出方次第,という流れだけでは,結局ほとんどの非常勤は,100円ショップの使い捨て雑巾と同じ待遇を受け続けることになるのではないか.といっている自分に何か案があるわけではないのだが.
 意外と?非常勤はみんなけっこう保守的だったりする.ちょうど,まともに職もなかったり,まともな年収もないのに,その状態を恒常化する小泉に投票する若者のようだ.単に幼いのか.

◆夫が同業で定職がある,子供がいる…といった差別を日常的に受けている.研究者としては別人格であるし,経済的にも自立したいので,何十回と公募には応募しているが,依然 そのような壁 (夫が就職しているのだから働かなくても,子供がいるのだから家事に専念したらといった) を感じる.
 学生にとっては,常勤であろうと非常勤であろうと,授業の先生であることは変わらないのに,賃金格差,研究環境格差は歴然としている.一生懸命やっても,美味しいところは専任に持って行かれるような状況が残念.
 人文系で就職が難しいのは確かであるが,専任と同等,それ以上働いて賃金が1/3前後,社会保障や雇用保障がなく,研究者としても認められない.おかしくないか.
 ほとんどの私学で,一握りの専任が,大多数の非常勤を使って高等教育を成立させている.人材交流という点で非常勤は重要と思うが,よりよい教育を提供するためには専任を増やすべき.国の政策として,大学院教育の推進をしているのだから,そこから出た人を路頭に迷わすような現状の責任をとるべき.

◆私の場合は,定年退職後の勤務で,若い学生との接点を残したいという希望が多い.しかし,周囲を見ていると多くの不安定雇用の若い先生方が多く,これでは教育の職責は果たせないと心配しています.ギャンブル経済に多額の税金を注ぎ込む今の行政に強い憤りを覚えます. 教育の原則・正論をあらゆるチャンネルとチャンスをつかってもっともっと国民に広く訴える活動が大切だと思います.

◆首都圏のある大学では,何年か前に学内のしがらみのない人物を理事会に入れ,色々な手法でリストラを推進してきています.雇用に関しては,大筋の順番は,職員昇任テスト制の導入,ボーナスカット,定年短縮など,最も金のかかる専任の教職員から始めたようです (専任教職員の組合破壊も兼ねた攻撃の側面もあったようです).
 非常勤講師に対しては,カリキュラム改訂と絡めて,人数の多い英語から始めたようです.そして何年か経ち,2005年度になると (JABEE対応のため) 「2006年度から新カリキュラム導入」(驚いたことに旧カリキュラム継続の経過処置なし) を口実に,人文・社会系科目の大幅更新,英語以外の外国語科目の消滅,留学生向け日本語科目の消滅などに伴う雇い止め (あなたには担当をお願いする科目は新カリキュラムには[実際は存在するが]ありません) をリストラ対象科目の非常勤講師に通知し,年末大掃除の様相を呈しています.

◆特に大規模な大学では,事務職員が教員に対して非協力的なケースが増えているように感じる.非常勤はその大学の状況を何も知らないから,色々な点で教務職員の協力が必要なのに,自分の忙しい仕事を中断されて迷惑そうな対応を取る職員や,挨拶すらしない職員が多い.(もちろん人によるが.) そういう事務室では専任に対しても似たような態度なので,分業感覚が進んでいるのだろうが,職員と教員の協力関係,信頼関係なくして良い講義が提供できる訳がないと感じる.

◆常勤の先生は,既得権に安住していて,非常勤の生活や立場をあまり考慮されていないように感じます.他大学の状況がわからないので評価はできませんが,事務職員の対応は悪くはないと思います.

◆毎年の契約書には,賃金と期間以外労働条件が明記されていないため,私が勤務する学部だけで決定される内容が,非常勤も常勤も変わりない労働をすることばかりが強調されて,実質の賃金は6年間据え置きにもかかわらず,病気で休んでも必ず補講をすることを非常勤にも義務づけられ有給休暇は無く,年間講義日数が明らかに増えて一コマあたり年間4日以上出講が増えており,実質賃金は据え置きではなく明らかに減給されていて非常勤の労働条件は,悪化するばかり,というのが印象.
 欧米では,非常勤と常勤の差は,研究費が出るかどうか,ということのみで,研究室や給与は常勤と同じ条件というのを見聞したことがあります.学生が相談にくるのは,非常勤も同じなのに大部屋の控え室での対応は学生にたいしても失礼ではないか,と大学は気づくべきです.
 新しい教員を専任で採用する時,大学は男性優先で雇用している気がします.日本の大学全体の女性専任教員が少なすぎると思います.

◆終身雇用制が崩壊してだいぶ時間がたちます.日本も,終身雇用を前提とする企業別組合から,職種別組合へ移行すべきであると思います.現在正社員の方も,いつ,規制緩和の名の下に雇用契約が不利益に改悪されるか分かりません.非常勤,パート労働者の地位向上は,日本の労働者にとって死活問題になると思います.

◆あらゆる職場の中でも大学こそが,もっとも非常勤教員に劣悪な賃金・労働条件を強いている場所だ.授業の5割前後を恒常的に低賃金の非常勤講師に依存している状態は異常である.問題は,圧倒的多数の専任教員と専任教員組合が,見てみぬふりをしていることだ.

◆私が担当している科目は需要が少ないので,私の後輩などは非常勤の仕事さえないのが現状です.私は現在6コマ受け持っていますが,それぞれ少しずつ内容や科目が異なるので,準備に多くの時間も要しますし,授業自体にも非常に体力を消耗します.ですので,生活が安定するほど仕事を増やすこともできません (現実には仕事はないのですが).
 また,私の担当分野では,DVDやCDなどたくさんの視聴覚資料を必要とします.今行っている4大学のうちのA大学には豊富な資料がそろっているので借りることができるのですが,他の大学に行くときにはすべて自分で持っていかなければなりません.今のところ,自分で少しずつ買い足しつつ,足りないものはA大学でお借りして講義に間に合わせています.もしA大学に出講できなくなったら,視聴覚資料を全部自費で賄わなければならなくなり,とてもやっていけないと思います.
 現在私は40歳ですが,このまま専任講師になることができなければ,何歳まで働くことができるだろうと,老後のことがたいへん不安です.

◆規制緩和と民営化が促進されることによって,社会全体が「保証なし」「不安定」「賃金破壊」の方向に向かっているので,どんな職種でも似たような悪い条件で働く人が増えることが心配されます.大学内で働くほかのパートの人々や,多様な職種の人たちの労働条件の底上げに貢献できるような,労働条件整備を目指したいです.そういう意味で健保と年金が一番気になります.大手スーパーの労組がパート労働者の加入を認めたという新聞記事を見ました.大学の教職員組合に非常勤講師が加入できるように働きかけるのもプラスかも知れません.

◆ボーナスもない上に,保険や年金などの福祉にいっさい入れてもらえない.生活,将来に不安が大きすぎます!

◆もう日本の大学教育に未来はナイ!と感じたので,海外に出ようと思っている.日本の大学教育いや教育全ては,完全にシンガポールや中国に完敗している事実を認めようとしない!これでは国家の未来は完全に崩壊する!

◆最近,どの大学でも授業内容にかんするアンケートを実施しておりますが,研究費がなく,また学校によってはコンピューターの利用が非常勤に対して制限されているような場合,思うような授業をするための金銭的負担がとても多くなっています.来年度は講義を持たされるため,今,書籍,コンピューター,視聴覚教材などを購入していますが,そのために来年度,その授業でいただくお給料の半分以上の投資 (といえるのでしょうか) を強いられています.講義のお話をいただけるのは,うれしいのですが,授業準備の予算をちゃんととってもらいたいです.

◆学会などへの参加ですが,最近では研究会などで,発表をする人たち,或いは仕事を任されている人たちに,交通費補助をだすなどの動きが徐々に出てきています.大学だけでなく,各学会へも,非常勤に対する学会参加の補助を呼びかけてみてはいかがでしょうか.

◆採用の際に職務規定等が書かれた書類を配布するなどして欲しい.

◆私は今年初めて非常勤講師として授業を担当しましたので,張り切って,責任を持ってよい授業をしようとしました.私の研究テーマと授業内容とは完全にはイコールではなかったので,授業のために自分の研究領域以外の専門書を今回新たに買ったり,図書館にせっせと通ってコピーしたりしました.専門書は高価ですし,そうした費用だけでかなりのお金が出て行きました.すると,ただでさえ低い賃金がますます削られて,収支があまりプラスにならず,いささか愕然としました.二年目以降は少しは事情も異なってくるのでしょうが,よりよい授業をしようとすればするほど生活できなくなるという状況は同じことですから,理不尽だと思います.
 自分の研究テーマと授業内容とが完全にはイコールではないのは誰でもそうでしょうし,そのこと自体は長い目で見れば悪いことではないでしょう.でも,専任教員でしたら,そうした費用は賃金なり研究費なりに含まれていると思うのです.
 組合の要求として,非常勤講師給を最低月5万円 (月給制の場合),研究費 (授業準備の経費を含む) を1コマにつき最低年額3万円支給することとありますが,私のごくささやかな経験から考えてもほんとうにこれは最低限の要求ではないかと感じます.

◆嘘の専任職の話や,専任教員および非常勤講師への見せしめとしての雇い止めはやめていただきたい.学内での専任職獲得レースからの徹底除外を言えば,即雇い止めになるのでは,何もいえなくなる.何のために大学院に入学許可されたのか,わからない.人生を返してほしい.

◆非常勤講師の人権はないに等しい.能力が正当に評価される業界への転職を真剣に考えているところである.

◆休職中の知り合いの先生の学生の卒論指導をしました.初めはボランティア (調査系なので学生が調べたデータは研究で使いました) だと思っていたのですが,謝金を振り込んでいただけるとの連絡が来ました (そういう意味ではいい大学です).しかし,いくら振り込んでいただけるのかは明記されていなかったのでよく分かりません.

◆ここまでひどい世界だとは思わなかった.

◆私は,今年度で,2年勤めていた○○大をやめます.私学で,理事長と縁故のある方が専任職についており,私は常に来年の雇用などをさりげなく鼻先にいつもぶらさげられているような思いをしてきました.挙句,やめると決まると,「子供を生んだことのない人に教員なんかできない」とセクハラまがいなことも言ってきました (同性ですが).やめてよかった,と思っていますし,やめた人間が今さら意見もないのですが,誰かに知っていただきたく,書かせていただきました.

◆大学だけに限らない問題として,兼職や転職がしやすい (つまり,不利益がない) 社会制度にして欲しい.あるいは,していきたい,と思う.  非常勤講師 (特に現在専業でされている) の方は,大学以外の仕事を確保して,条件闘争できる体制を作る必要有りと思います.非常勤講師が協力しあい,大学以外の仕事を確保する場を作っていけたらいい,と思います.

◆複数の大学をかけ持ちで担当していると,自分がどこに所属しているのか非常に曖昧です.例えば,公的文書などに勤務先名を記入するようなとき,結局一番給与の多い大学名を書くことになりますが,いつ使い捨てられるか分からないような状態では,勤務先に対する愛着も湧きません.

◆急にカリキュラムが変更になったり,4月に年間スケジュールが発表されているのに,日程変更になったり,学生から講師に対する不安を与えるようなことが起こる.

◆私の行っている大学で,教えている科目 (非常勤講師ー日本文化論) が,今年度で廃止されてしまい,6年講義してきて,学生も70名以上はいつもいましたが,残念です.カリキュラムの再編成との理由ですが,非常勤はいつも損をしています.しかし,ある教授が同大学のエクステンションセンターの講師を紹介してくれて,助かりました.
 専任に成れるのは,ごくわずかな人数なので,やはり生活がどうなるかは心配しています.専任になれなければ,大学以外の仕事も,将来はやる覚悟はしています.非常勤でも,社会保険などの保障をしっかりして欲しいと思う.

◆授業,試験の準備等,自宅で対応せざるをえません.これらの労働に対して何の評価もなく空しくなります.

◆場合によっては授業で使用する教科書の代金が自己負担となるケースがある.これは私の場合,相当詳細なシラバスを書かなければならなくなったことが大きな要因だ.
 つまり,最近は各回ごとの内容まで詳述したシラバスを書くように求められるケースが多く,きちんと対応するには教科書の現物が手許にある必要がある.一方,シラバス執筆の締切は通常前年度の1月,その時点では教科書の指定をしても出版社からの献本は届かず,結局自分で購入することになる.大学側は,このようなシラバスの執筆を求めるなら,教員側の余分な出費なしに対応できるよう努力すべきである.また,数冊の候補からよいものを選ぼうとする場合も,現状では余分な出費が必要であることも考慮すべきだ.

◆学会の費用 (宿泊・交通費など) が自己負担なのはかなりきつい.

◆大学HPで非常勤講師の名前も掲載してほしい.

◆非常勤講師の「非常勤」というタイトルをもっと誇りに思える聞こえの良いものにしてほしい.

◆非常勤講師は教育や学問において,ないがしろにできない貴重な戦力で,各大学において重要な働きをしています.ですから各大学は非常勤講師の生活の安定や待遇面での問題について,いっそうの改善をはかるべきです.また,各大学は非常勤講師をとりまとめ養成することが今まで以上に求められ,また励みになるような機構を作りそれを整備することで非常勤講師の質も向上します.こういったさまざまな改善や機構整備は足りないところがあればそれを補い合うべきものです.


サマリーと目次   1 回答者の構成  2 収入支出  3 働き方  4 社会保険  5 全般  6 自由記述  付録