5 全般
5.1 雇い止め経験
5.2 専任化の希望
5.3 権利の周知
5.4 不満点

5 全般
5.1 雇い止め経験
雇い止めを経験したことのある人は,「専業非常勤」50%,「非常勤兼職」42%,「本務校あり」35%,「常勤兼職」23%,「年金あり」33%となっています.
雇い止めの理由で最も多いのが,「科目がなくなった」で,雇い止め経験者の33%,次いで「他の人が担当することになった (譲らされた)」が32%等となっています.また,理由不明,説明なしも19%もあります.
「その他」の記述欄には,「非常勤は5年以上×と急に決った」「突然4年ルールができた」「家が120km以上離れている場合は×と突然決まった」など,突然ルールが押し付けられる例,病気をしたから・産休をとったらクビになった,専任教授の不始末のもみ消し,担当者のミス,組合つぶし,「10年以上働いている非常勤は新鮮味がないので辞めてもらうと言われた」などがありました.

図表 33 雇い止めを経験したことはあるか (設問5.1) 単位:人
専業非常勤 非常勤兼職 本務校あり 常勤兼職  年金あり  合計
ある 294 (50%) 59 (42%) 41 (35%) 21 (23%) 17 (33%) 432 (44%)
ない 297 (50%) 82 (58%) 76 (65%) 69 (77%) 34 (67%) 558 (56%)
総回答数 591 (100%) 141 (100%) 117 (100%) 90 (100%) 51 (100%) 990 (100%)

図表 34 雇い止めの理由 ? (設問5.2) 単位:人
科目がなくなった 139 (33%)
他の人が担当することになった (譲らされた) 137 (32%)
科目は残ったがコマ数が減った 123 (29%)
最初から期限が決まっていた 76 (18%)
いやがらせとして 53 (13%)
学校や学部がなくなった 50 (12%)
定年 9 (2%)
自分に落ち度 3 (1%)
その他 57 (13%)
不明,説明なし 81 (19%)
総回答数 728 (172%)
回答者数 423 (100%)

5.2 専任化の希望
「専業非常勤」のうち専任教員になることを希望する人は70%,「非常勤兼職」では64%です.

図表 35 大学専任教員になりたいか? (設問5.3) 単位:人
専業非常勤 非常勤兼職 本務校あり 常勤兼職  年金あり  合計
はい 399 (70%) 85 (64%) 8 (100%) 40 (51%) 11 (26%) 543 (65%)
いいえ 52 (9%) 15 (11%) 0 (0%) 19 (24%) 21 (49%) 107 (13%)
どちらともいえない 123 (21%) 33 (25%) 0 (0%) 20 (25%) 11 (26%) 187 (22%)
総回答数 574 (100%) 133 (100%) 8 (100%) 79 (100%) 43 (100%) 837 (100%)

グラフchart35


5.3 権利の周知
非常勤講師にも労災保険が適用されていることを知っているのは,全体で28%に過ぎません.
また,非常勤講師の,年次有給休暇の制度のある大学があることを知っているのは,全体の21%に過ぎません.

図表 36 非常勤講師にも労災保険が適用されることを知っているか? (設問6.1) 単位:人
専業非常勤 非常勤兼職 本務校あり 常勤兼職  年金あり  合計
知っている 159 (27%) 41 (29%) 30 (35%) 21 (24%) 19 (35%) 270 (28%)
知らない 426 (73%) 98 (71%) 55 (65%) 68 (76%) 35 (65%) 682 (72%)
総回答数 585 (100%) 139 (100%) 85 (100%) 89 (100%) 54 (100%) 952 (100%)

グラフchart36

図表 37 年次有給休暇の制度がある大学があることを知っているか? (設問6.2) 単位:人
専業非常勤 非常勤兼職 本務校あり 常勤兼職  年金あり  合計
知っている 140 (24%) 23 (17%) 16 (19%) 13 (14%) 8 (15%) 200 (21%)
知らない 442 (76%) 116 (83%) 70 (81%) 78 (86%) 45 (85%) 751 (79%)
総回答数 582 (100%) 139 (100%) 86 (100%) 91 (100%) 53 (100%) 951 (100%)

グラフchart37


5.4 不満点
大学非常勤講師の労働・教学条件について,「不満がある」人は,「専業非常勤」の95%,「非常勤兼職」の87%,「本務校あり」の73%,「常勤兼職」の77%,「年金あり」の88%で,全体では,90%の人が不満を感じています.
不満のある人に,不満な点をすべて選んでもらったところ,回答者は平均5.8個の項目を選び,不満な点は多岐に渡っていることがわかります.特に「賃金が低い」と「雇用が不安定」は回答者の7〜8割が選択しています.次いで,「社会保険がない」「研究者として扱われていない」を選択した人が6〜7割です.
「その他」には,交通費が支払われない,補講が強要される,労働条件の説明がない,スケジュールがコロコロ変わる,学生の機嫌をとるようなアンケート,メールアカウントがない,教職員証が発行されない,採用の際は日本語能力は問われず全部英語だったのに,採用後はすべて日本語で全くサポートがない,などの回答がありました.

図表 38 大学非常勤講師の労働・教学条件について不満はあるか? (設問6.3) 単位:人
専業非常勤 非常勤兼職 本務校あり 常勤兼職  年金あり  合計
ある 561 (95%) 120 (87%) 61 (73%) 67 (77%) 46 (88%) 855 (90%)
ない 27 (5%) 18 (13%) 23 (27%) 20 (23%) 6 (12%) 94 (10%)
総回答数 588 (100%) 138 (100%) 84 (100%) 87 (100%) 52 (100%) 949 (100%)

グラフchart38

図表 39 不満な点は? (設問6.4) 単位:人
不満点すべて不満点の上位3位
賃金が低い 685(75%) 547 (65%)
雇用が不安定 686 (78%) 567 (67%)
健康保険・年金がついていない 565 (65%) 328 (39%)
研究者として扱われていない 574 (66%) 286 (34%)
施設が不十分 469 (54%) 135 (16%)
教学上の権限がない 343 (39%) 99 (12%)
クラスの人数が多い 335 (38%)115 (14%)
産休・育休・病気休暇等
の保障が充分でない
355 (41%) 98 (12%)
科研費申請の案内なし 415 (47%) 69 (8%)
専任の態度が悪い 211 (24%) 61 (7%)
労働条件が明示されていない 233 (27%) 40 (5%)
休日に授業を
しなければならない
93 (11%) 13 (2%)
その他 90 (10%) 33 (4%)
総回答数 5027 (575%) 2391 (282%)
回答者数 874 (100%) 847 (100%)

サマリーと目次   1 回答者の構成  2 収入支出  3 働き方  4 社会保険  5 全般  6 自由記述  付録